身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

植物グループ・語句解説等

イネ科の花序の形

イネ科は種類も豊富ですが、属の数も多い分類群です。改訂新版日本の野生植物ではカヤツリグサ科の場合24属で400種以上なのに対し、イネ科の場合138属で400種以上となっており、同じ規模の種数でも属の数が大きく異なっています。 フォーリーガヤ。よく見る…

イネ科の用語解説(その3)

イネ科を同定するにあたっては、花序の形や小穂の形で見分けられるものもありますが、中には包頴や護頴、内頴についてしっかり見ないとわからない種類もあります。 もうスズメノカタビラが花をつけていました(2月2日)。スズメノカタビラは外来由来、在来由…

イネ科の用語解説(その2)

イネ科の同定で一番重要なのが花です。 ススキは日本人に一番愛されているイネ科の野草でしょう。長野県大鹿村(9月2日)。 花がついていない葉っぱだけの標本を持ってこられたら、いくら詳しい人でも種を同定するのは厳しいと思います。ですから極論を言えば…

イネ科の用語解説(その1)

イネ科の植物は国内に約400種(外来種含む)が生育しており、世界で見ると約8000種もある巨大な科です(改訂新版日本の野生植物2を参考)。そして花が目立たない植物の代表と言ってもよく、普通の人だったら皆同じ植物に見えてしまうかもしれません。 ヒメノ…

シソ科の識別ポイント

シソ科の植物は科の名前にもなっているシソを始め、エゴマ、ハッカのように人々と関わりの深い植物が多いグループです。在来の植物ではありませんが、ハーブとして使われるバジル、ローズマリー、オレガノ等もシソ科の植物です。 我が家で毎年栽培するバジル…

ナデシコ科の識別ポイント

植物の種名がパっとわかればよいですが、わからない時も多々あります。そんな時、その植物が「○○科だな」とわかれば、調べるのもそれほど時間がかかりません。植物をよく知っている人は、この「○○科」というグループの特徴を頭にたたきこんでいることが多い…

キク科の花のつくり(花序について:その2)

キクの花はそれぞれ1個の花に見えますが、実は複数の花が集まっているので花序になります。花の時だとなかなか1個の花と想像できませんが、種子ができると1箇所にたくさんの種がついているので、「なるほど、そうかもしれない」と思っていただけると思います…

花序について(その1)

図鑑の葉の説明文以上に難解なのが、花序(かじょ:花の集合)の説明文だと思います。私は職業柄、花序の説明文自体は理解できるのですが、「この花がこの花序に該当する」というのがわからないことが時々あります。多分、完全には花序のつくりについて理解…

葉の形について(その2)

「その1」では1枚の葉の形についてお話しましたが、「その2」では単葉もしくは複葉の小葉の葉身(ようしん:柄を除いた葉の部分)の形について少し説明します。葉身の形を説明する際によく用いられる用語は多数あるのですが、一般的には楕円形、卵形、倒卵形…

葉の形について(その1)

紹介する植物がない時期なので、ちょっとだけお勉強をしますか。 植物を見分ける際は、花や実の形で区別することが多いのですが、野山を歩いていて、毎回、花や実に出会う訳ではないですよね~。特に木の仲間は、花や実のついている個体に出合うことのほうが…

ネコノメソウの仲間を見分けるポイント

ネコノメソウの仲間は春の谷を代表する植物です。 ネコノメソウ。青森県階上町にて(5月23日)。この仲間は群生することが多い。 多くのブロガーさんがこの時期はきれいなネコノメソウの仲間の写真をアップしていますね。私もがんばって今年の撮影分をアップ…

アブラナ科の識別ポイント

急に春らしくなってきましたね。そろそろ植物観察に出かけたくなってきました。 水田の春植物といったら、タネツケバナ。岐阜県関市にて(3月15日)。 さて、春の花と言ったらどんな花を思い浮かべますか? 梅、桜、タンポポ、レンゲ・・・etc.いろいろあると思…

スミレを見分ける際のポイント

春早い時期の植物観察の主役と言えば、スミレでしょうか。 マルバスミレ。スミレの仲間はきれいなだけでなく奥が深いのも魅力ですね。 スミレは種類が多く、図鑑によっても違いますが、日本には約60種ほどが自生しています(日本維管束植物目録参考)。亜種…

カンスゲの仲間とは?

ヒメカンスゲを紹介したので、カンスゲの仲間をもう少し詳しく掘り下げてみましょう。 植物の分類では見た目が全く違っていても、花の特徴が同じだと一緒の属や節(グループ)になることが多いです(最近の分類ではだいぶ細かくなった感じもします)。カンス…

アオスゲの仲間とは?

アオスゲは耕作地周辺の草地や河川敷の堤防などの草地に生育する植物で、スゲの仲間ではごく普通に見ることができます。分布も北海道~九州と、ほぼ日本全国に分布します。 アオスゲの仲間の代表選手!アオスゲです。岐阜県関市にて(4月30日)。 そんなごく…

初夏と言えばスゲでしょ!-スゲ属の穂の形-

だいぶスゲに慣れてきたところで、スゲの穂の形について紹介します。 スゲの穂の付き方はおおまかに3タイプあります。 一つ目はホナガヒメゴウソのようなタイプです。小穂は雄小穂と雌小穂に区別できます。ただ、種によっては一番上の雄小穂の部分が雄花と雌…

初夏と言えばスゲでしょ!-導入編-

まだ6月にもなっていないのに、ここのところ暑さは真夏並みですネちょっと季節が過ぎ去った感もありますが、春~初夏の観察に適した植物を紹介したいと思います。トップバッターはスゲ属の植物です。 スゲ属の植物、エナシヒゴクサ(茨城県にて) 「葉っぱだ…