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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

初夏と言えばスゲでしょ!-導入編-

まだ6月にもなっていないのに、ここのところ暑さは真夏並みですネちょっと季節が過ぎ去った感もありますが、春~初夏の観察に適した植物を紹介したいと思います。トップバッターはスゲ属の植物です。

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スゲ属の植物、エナシヒゴクサ(茨城県にて)

「葉っぱだけだとわからないけど、花や実がつけばわかるよ!」という植物はたくさんありますよね。でも、花や実がついてもよくわからない・・・という植物も皆さんありますよね。そんな植物の代表が、イネ科、カヤツリグサ科、シダ植物(シダは花つけませんが、胞子嚢をつけます)じゃないでしょうか。

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イネ科は属が多くて、どの仲間に該当するのかがなかなか覚えられません。
これはシマズズメノヒエ(東京都にて)
 
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シダ植物は皆似ていて、どの科に該当するのかがなかなか覚えられません。さらに雑種などもできやすい分類群もあり、難解です。これはギフベニシダ(岐阜県にて)
 
初心者泣かせのこれらの植物の中では、カヤツリグサ科は比較的とっつきやすい植物だと私は思います。カヤツリグサ科の植物の特徴は、なんと言っても茎の断面が三角形!(例外はあります)先輩達から、「茎の断面が三角形なら間違いなくカヤツリグサ科だ」と教わったものです。カヤツリグサ科の見分け方は、思ったより簡単でしょ?

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カヤツリグサ科のサンカクイ(東京都にて)。茎が三角形だからこその名称です。

さらに、カヤツリグサ科の中でも親しみやすいのは、スゲ属のような気がします(個人的感覚です)。私が親しみやすいと感じた理由は次の3点です。
①春~初夏に咲くものが多い。→初夏に咲いていて、茎が三角形ならスゲ属!と初心者にはすぐ覚えられます。

②最近、とてもわかりやすい図鑑が多数出ている。→昔に比べて格段に調べやすくなっています。使いやすく、おすすめのものは下記のものでしょうか。

ネイチャーガイド 日本のスゲ.勝山輝男.文一総合出版→検索有り、写真有り、殆どの種が網羅されています。
カヤツリグサ科ハンドブック.勝山輝男・北川淑子.文一総合出版→掲載種数は少ないですが、解説は丁寧でリーズナブル。初心者向き。
日本カヤツリグサ科植物図譜.星野卓二・正木智美・西本眞理子.平凡社→検索有り、線画、殆どの種が網羅されています。3冊の中では最も値がはります。
③スゲ属の植物は日本に約270種(帰化含む)あります。一つの属にこれだけの種が含まれる分類群は、日本ではありません。→この属をマスターすれば、200種以上覚えたことになる!(マスターするのはかなり手ごわいですが・・・)
 
私の思い入れはさておき、スゲ属植物の特徴と、スゲ属を調べる際の最低限必要そうな用語解説をまとめてみました。
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これから、スゲ属のいくつかを紹介していきますが、野外で「なんとなく、これかな~」と当てがつく程度の特徴を紹介していきます。正確に調べる際は、図鑑で調べることをお薦めします。