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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

イネ科の用語解説(その1)

イネ科の植物は国内に約400種(外来種含む)が生育しており、世界で見ると約8000種もある巨大な科です(改訂新版日本の野生植物2を参考)。そして花が目立たない植物の代表と言ってもよく、普通の人だったら皆同じ植物に見えてしまうかもしれません。

 

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ヒメノガリヤス。足元にあっても「何だろな~」で通り過ぎてしまう。神奈川県山北町にて(9月4日)。

でも基本的な構造は同じで(イネ科だから当たり前ですが)、よく見れば違いが見えてきます。そこで問題になるのがイネ科独特の用語ですね。最初の頃は図鑑を見ても何を言っているのかさっぱり…ということもありました。ここでは最低限覚えておきたい用語を数回に分けて解説します。他の分類群と共通するものもありますので、参考にしてみて下さい。

 

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イネ科は草本で、茎、葉、花の集合体である花序から主に構成されます。まずは茎と葉について見て見ます。


●茎と葉に関する用語

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節(せつ):イネ科の植物には必ずあります。茎が分枝したり根が出る時は必ず節から出て、葉鞘の基部もこの部分になります。たいていリング状の出っ張りがあり、種類によってはこの部分に毛があったりもします。

葉鞘(ようしょう):葉の一部で茎を巻き込んでいる円筒形の部分。ちなみにいわゆる「葉」の部分は葉身(ようしん)と言います。

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葉舌(ようぜつ):ほぼイネ科特有の言葉です。葉鞘と葉身の間にあり、葉鞘にくっついている透明もしくは毛状の膜のようなもの。この形や大きさが類似種の識別点となる時もある、分類では重要な器官?です。

今回は「増補日本イネ科植物図譜」(長田武正、平凡社を参考にしました。