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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

イネ科の用語解説(その3)

イネ科を同定するにあたっては、花序の形や小穂の形で見分けられるものもありますが、中には包頴や護頴、内頴についてしっかり見ないとわからない種類もあります。

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もうスズメノカタビラが花をつけていました(2月2日)。スズメノカタビラは外来由来、在来由来、その中間とあるようで、そこを見分けるには顕微鏡が必要なようです。この仲間(Poa)の見慣れない種類を調べる時も顕微鏡は必要かな~。

目のよい方は高倍率のルーペでもいけるのかもしれませんが、老眼が進んできた自分にはかなりムリがあります。腰を落ちつけて包頴や護頴、内頴を調べるとなると実体顕微鏡のレベルになります。

●包頴・護頴・内頴を調べる時によく出てくる用語

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竜骨(りゅうこつ):なぜ竜の骨なのか?一体どの部分なのか?初心者ならきっと思いますよね。名前の由来はわかりませんが、どの場所かだけは覚えておくとよいです。包頴・護頴は紙を山折り(谷折りでもいいですが)したような感じで重なっています。この折り目の部分にあたるところが竜骨です。内頴は少し折り方が違っていて、折り目が2か所あり、その部分が竜骨となります。種類によっては包頴・護頴に強い折り目がなく、紙を丸めたような感じになるものもあり、その場合は竜骨が無いことになります。
②脈(みゃく):包頴、護頴には線がついています。この線のことを脈と呼び、この本数が種類を識別するポイントになったりします。また脈上に毛があるとか、脈と脈の間(脈間)に毛があるといった解説文もあったりします。ちなみに竜骨も脈の1本として数えます。

今回も「増補イネ科植物図譜」(長田武正.平凡社)、「イネ科ハンドブック」(木場英久・茨木靖・勝山輝夫、文一総合出版を参考にしています。