身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

シソ科の識別ポイント

シソ科の植物は科の名前にもなっているシソを始め、エゴマ、ハッカのように人々と関わりの深い植物が多いグループです。在来の植物ではありませんが、ハーブとして使われるバジル、ローズマリーオレガノ等もシソ科の植物です。

イメージ 1
我が家で毎年栽培するバジルもシソ科の植物。シソ科の植物は香りが強いものが多いかも。

イメージ 2
北海道北見市(7月25日)で撮影したナミキソウ。花が大きくきれいな種類も多い。

シソ科は種類の多い科で、世界中に約7000種もあるようです。日本だけでも2890種程度が分布しています(改訂新版日本の野生植物5より引用)。少し前まではシソ科は草本だけでしたが、近年の分子系統学的な解析によって、ムラサキシキブクサギといった、クマツヅラ科に含まれていた木本類がシソ科に加えられました。それでも大半は草本と思ってよいです。シソ科の植物は春に咲くものもありますが、私のイメージでは夏以降に咲く花といった印象が強いグループです。

この春に使える知識ではないかもしれませんが、シソ科の特徴をみてみましょう
ポイントは3点です。
●茎の断面
イメージ 3
シソ科の茎の断面は多くが四角形です。クマツヅラ科やキク科の植物にも四角形の茎を持つものがありますが、茎が四角形だったら、真っ先にシソ科かな・・・と思うのがよいと思います。

●葉
イメージ 4
葉は対生(たいせい:葉が対になって着く)し、鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)がたいていあります。葉の形は様々ですが、葉が対生しない種類や、鋸歯のない種類は極めてまれです。

●花
イメージ 5
茎の断面と葉の組み合わせでほぼシソ科ということはわかりますが、花があれば完璧です。花は筒状で、先端の裂片のうち下側(下唇)が大きいのが特徴です。シソ科のこのような花の形は唇形花冠(しんけいかかん)と呼ばれ、特徴的な花の形となっています。花の色は白色、ピンク色、赤紫、紫といった系統の色彩が多いのも特徴です。

シソ科というところまでは比較的簡単にわかると思います。ただ、種類が多く、グループによってはかなり難解なものもあるので、科の先を同定するのに時間がかかるかもしれません