梅雨に似合う花ー145.アカショウマー
フワフワッとした花序がきれいなアカショウマです。

一つの花は小さく、細く、雨に濡れると写真の対象にならないのですが、真っ白な花序は梅雨空にはえます。

花の拡大。少しピンボケで、幻想的(笑)。
人間の目でみるときれいなのですが、写真に収めると思ったほどうまく撮れないんですよね~(今回はわりとまし)。もう一つ困るのが、類似種との違いが微妙なところでしょうか。
アカショウマはユキノシタ科チダケサシ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、本州(東北南部~近畿)・四国の明るい林内や林縁に生育します。アカショウマに似た植物では、私の住む岐阜県だけでもトリアシショウマ、ハナチダケサシ、ミカワショウマがあります。日本全国に広げたら、もっと多数あります。
多くの植物は外形が似ていても、「花や実がつけば類似種と簡単に区別できる」ということがよくあります。ところが、アカショウマの仲間は花や実を見ても、お互いの区別がどうもはっきりしません。そのせいか、図鑑の検索表(種の識別ポイントをまとめた表)を見ても、多くは葉の形や花序(かじょ:花の集合)の形で種を分けています。種の特徴がよく表れた典型的な個体であれば、間違うことはないのですが、判断に迷うような個体に出会うこともたびたびです。きれいな植物ですが、実に悩ましい植物です。
アカショウマの特徴は次の2点です。



今回撮影した個体は、結構大型の個体で、花序は一番下以外も分枝しています。ただ、分枝の長さが短く、数も少なく、頂小葉が細身で基部がハート型にならないので、アカショウマと判断しました。このような迷う個体は、結構あると思います。