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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

梅雨に似合う花ー145.アカショウマー

フワフワッとした花序がきれいなアカショウマです。

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岐阜県郡上市にて(7月3日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

一つの花は小さく、細く、雨に濡れると写真の対象にならないのですが、真っ白な花序は梅雨空にはえます。

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花の拡大。少しピンボケで、幻想的(笑)。

間の目でみるときれいなのですが、写真に収めると思ったほどうまく撮れないんですよね~(今回はわりとまし)。もう一つ困るのが、類似種との違いが微妙なところでしょうか。
アカショウマはユキノシタ科チダケサシ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、本州(東北南部~近畿)・四国の明るい林内や林縁に生育します。アカショウマに似た植物では、私の住む岐阜県だけでもトリアシショウマ、ハナチダケサシ、ミカワショウマがあります。日本全国に広げたら、もっと多数あります。
多くの植物は外形が似ていても、「花や実がつけば類似種と簡単に区別できる」ということがよくあります。ところが、アカショウマの仲間は花や実を見ても、お互いの区別がどうもはっきりしません。そのせいか、図鑑の検索表(種の識別ポイントをまとめた表)を見ても、多くは葉の形や花序(かじょ:花の集合)の形で種を分けています。種の特徴がよく表れた典型的な個体であれば、間違うことはないのですが、判断に迷うような個体に出会うこともたびたびです。きれいな植物ですが、実に悩ましい植物です。

アカショウマの特徴は次の2点です。
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①葉:葉は33出複葉(葉の形の解説は写真参照)。頂小葉(ちょうしょうよう:小葉のうち一番先端の小葉)は細めで、基部は顕著なハート型になりません。
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②花序:一番下の枝は分枝しますが、その他の枝は殆ど分枝しません。でも、写真の個体は一番下の枝だけでなく、No.13の下から3番目までは確実に分枝しています。よくみるとその上のNo.4No.5もごく短い枝が分枝しているようにも見えます。こういうところが、悩ましいんですよね~。


今回撮影した個体は、結構大型の個体で、花序は一番下以外も分枝しています。ただ、分枝の長さが短く、数も少なく、頂小葉が細身で基部がハート型にならないので、アカショウマと判断しました。このような迷う個体は、結構あると思います。