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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

梅雨に似合う花-144.マタタビ-

マタタビの花は梅雨時に咲きますが、花は小さく葉の陰に咲くので目立ちません。

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群馬県長野原町にて(6月22日)。これは雄花。梅の花みたい。

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こんな感じで葉の陰に咲きます。

タタビは花よりも葉のほうが梅雨の雨と似合うかもしれません。

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岐阜県郡上市にて(7月3日)。たくさん花は着きますが、葉のほうが目をひきます。

新緑から梅雨時に山道をドライブしていると、緑に映える“白い点々”に出会うことがあると思います。運転しながら目を凝らして見るのは危険ですが、よく見るとそれは花ではなく、マタタビの葉です。

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群馬県長野原町にて。遠目に見るとこんな感じで、葉がとても目立ちます。

マタタビの葉はとても面白く、葉の全てが白色になるわけではなく、誰かが白いペンキをこぼしてしまったかのように、葉の一部だけが白くなります。この葉の白さは、梅雨時の雨に濡れると特に映えてきれいです。不思議なことに真夏になると、この白さは色あせ、季節の移り変わりとともに目だたなくなってきます。葉の白さの目立つ時期と、花の開花時期が重なっているので、目立たない花の開花を虫達に知らせるシグナルなのかもしれません。


マタタビマタタビマタタビ属の葉藤本(らくようとうほん:冬に葉を落とす、木化するつる植物)で、北海道~九州の林縁に生育します。キウイフルーツと同じ仲間で、雄株と両性株があります。「猫にマタタビ」と言われるように、枝葉をネコに与えると、葉や茎をかじりながらゴロゴロしだします。昔、現場の駐車場にいた野良ネコにあげたら、踊って喜んでいました。ただ、マタタビに対する感受性はネコの個体によっても違うようで、うちの家内の実家の雌ネコは殆ど反応しませんでした。雌だからかな?

マタタビの特徴は次の4点です。
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①葉の色:立派な個体であれば、梅雨時に葉の一部が白くなるので、すぐにわかります。 
②葉の形と質感:葉は互生(ごせい:葉が交互に着く)し、卵形から楕円形、鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)があります。葉の基部(葉と葉柄の接合付近)は顕著なハート型になりません。葉脈は細かいところまで見え、光沢がなく、表面がしわくちゃな感じです。
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③茎:茎を切断すると、白色の中身が詰まっています。類似種のサルナシは、中身が詰まらず櫛状になります。
④実:長さは22.5cm、長楕円形で先がとがります。よく虫こぶが形成され、そのような場合、カボチャのような形になります。実は果実酒でよく使いますよね~。


大きな個体だと容易に類似種と区別できますが、花をつけない小型の個体は葉も白くならないので、類似種のミヤママタタビ、サルナシ、シマサルナシとの識別が難しくなります。そのような場合は、23の形質が重要な識別のポイントとなります。