平地の秋の花-84.クサフジ-
フジと聞くと初夏をイメージしますが、クサフジは夏から秋にかけて咲きます。
北海道稚内市(9月3日)にて。以下、同じです。
クサフジはつる植物です。
クサフジは草本なのでフジとは全く似ていませんが、紫色の花が房状に咲くつる草という点で、フジに雰囲気が似ていないこともないです。クサフジという名前は、とてもよいような気がします。日当たりのよい草地に生育します。
クサフジはマメ科ソラマメ属のつる性の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道、本州、九州に分布します。クサフジの分布域は広いのですが、私はあまり西日本では見たことがありません。岐阜県でも少ないようです。私は北海道、東北、長野など、比較的冷涼な地方で目にすることが多かったです。
クサフジの仲間は皆次のような共通の特徴があります。
①茎:つる性の草本です。
②葉:羽状複葉(うじょうふくよう:写真のような葉)で葉の先が巻きひげになります。
③花序:青紫色の花を上向きに伸びた軸に多数つけます。
クサフジの特徴は次の3点です。
①全体の毛:茎や葉、花序に短毛が多いです。
②小葉:小葉(しょうよう:1枚1枚の葉のように見える部分)は18~24枚で、小葉は幅が細く、狭い楕円形。
③花:花数が多く、萼は5mm程度。
クサフジの仲間はいくつかありますが、慣れると葉の形状で見分けることができます。