身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

お孫さんですか・・・?-252.キツネノマゴ-

キツネノマゴとは、なんとも不思議な名前です。秋の花が目に付くようになった今日この頃、草むらや林縁でひっそりと咲いていました。


イメージ 1
神奈川県南足柄市にて(8月27日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

イメージ 2
花序がキツネの尻尾に似ているとかという説もあるようですが・・・。

キツネノマゴはキツネノマゴ科キツネノマゴ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、本州~九州に分布します。草地や林縁に生育し、草が繁茂しすぎない林縁では群生する時もあります。

国内の分布が広く、群生する時もあるのに、存在感の薄い植物です。まず花が目立ちません。茎の先に比較的立派な花序をつけるのですが、たいてい数花づつつけます。今回観察した場所でも、多くて2花といった感じでした。一斉に花をつけたら目立つし、虫にもアピールできるような気がするのですが、不思議です。あとは植物体が小さく、葉もこれといった特徴がない点も存在感の薄さに関係しそうです。

不思議な名前の由来についてはよくわかっていないようです。ちなみに、ひ孫にあたるキツネノヒマゴ、め孫(意味を調べて見ましたが不明。姪孫のことか?)にあたるキツネノメマゴという植物が琉球地方に生育しているようです。キツネの家系、謎が多いです。

キツネノマゴの特徴は3点です。花がつけばわかりやすいですが、葉だけだと気づきづらいです。
①全体容姿:基部で分枝し、高さは膝丈以下です。
イメージ 3
②茎と葉:葉は対生(たいせい:葉が対になって着く)し、形状は狭楕円形、ほぼ全縁(ぜんえん:葉の縁にギザギザがない)です。茎とともに葉全体に伏した短毛があります。短毛とは別にやや長い毛もまばらにはえ、長い毛は茎の節や葉柄でやや目立ちます。
イメージ 4
③花序と花:茎の先端や上部葉柄に太くて短い花序をつけます。花序は花を密生するのですが、花が一斉に咲かず、数花づつ咲きます。花の大きさは5-10mm程度で、淡い紫色、舌のような部分が大きく目立ちます。


似たような植物としては同じ科に属するハグロソウがあります。ハグロソウとキツネノマゴは葉だけだと識別が難しいですが、ハグロソウは花序をつくらず、2cm程度の大きな花をつける点で異なります。花の咲いていない状態だとアカネ科のハシカグサも似ています。ただ、キツネノマゴに気づく晩夏から秋にはハシカグサも花をつけていることが多く、ハシカグサは花序をつけずに葉の脇に筒状の白い花をつけるのですぐ見分けられます。