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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

平地の秋の花ー85.ヒロハクサフジー

名前が示すとおり、クサフジよりも葉が広い、ヒロハクサフジです。

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北海道稚内市にて(9月3日)。以下、産地・撮影日同じです。

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ただ、ヒロハクサフジが類似種の中でも特に葉が広い訳ではありません。クサフジよりかは明らかに広いという程度です。
ヒロハクサフジマメ科ソラマメ属のつる性の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道、本州(近畿以北)に分布します。私の住む岐阜県には分布しないようで、他の地域でもあまり見たことがありません。はっきりとした生育環境はよくわかりませんが、寒冷な地方の平野部の草地に多いと思われます。
青紫の花、羽状複葉(うじょうふくよう)という共通の特徴から、クサフジの仲間ということはすぐにわかりますね。しかし、ヒロハクサフジは明らかに葉の幅が広く、花の数も少ないです。一見してクサフジではないことがわかります。
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ヒロハクサフジクサフジよりも花数が少ないですが、個々の花サイズが大きいです。あと色も濃い紫色といった感じです。

ヒロハクサフジの特徴については、類似種との識別点になる、葉を中心に説明します。
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①小葉の形と枚数:小葉(しょうよう:11枚の葉のように見える部分)の枚数は1016枚、形は楕円形や卵形です。
②葉の毛:裏面に短毛を密生します。
③葉脈の角度:主脈に対して、広い角度で側脈が出ます。
④托葉:托葉(たくよう:葉の付け根にある小さな葉状の付属片)は細く、小さく、目立ちません。

ヒロハクサフジは葉の枚数が少なく、葉裏に毛が多い点で、他の種と区別できると思います。