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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

初夏を代表する花-276.フジ-

初夏に見頃を迎える花と言えば、フジですね~。新緑の山道をドライブしていると美しい花が目に飛び込んできます。野生状態でも藤棚並みに花をつける個体もあり、思わず見とれてしまいそうですが、運転中はよそ見をしないで下さいね。

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三重県鈴鹿市にて(5月9日)。以下、花の写真は撮影日・撮影場所同じです。

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野生のものでも、こんなに花がたくさんつきます!

フジは公園で植栽されていることもあるので、この花を知らない人はいないですよね~。でも、栽培しているのが「フジ」で山に自生しているのは「ヤマフジ」と思っている方いらっしゃいませんか?そんなふうに思っているとチコちゃんに叱られちゃいますよ~(笑)。

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フジの花序は細長いのが特徴。上から順に咲いていきます。

公園に植えられていても、山に自生していても「フジ」です。そして「フジ」とは別に「ヤマフジ」という植物があります。この「ヤマフジ」も「フジ」と同様に栽培されるので、公園に植えられていても「ヤマフジ」です。なんかややこしい感じがしますが、花が咲けば両者は簡単に見分けられます。花序が長~く垂れ下がるのがフジで、花序がポッチャリしているのがヤマフジです。公園の藤棚よ~く観察してみて下さいね。

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花が終わると立派な豆ができます。中に1円玉ぐらいの種が入っています。静岡県川根本町にて(7月13日)。

フジはマメ科フジ属の落葉藤本(らくようとうほん:冬に葉を落とす、木化するつる植物)
で、かなり大きくなります。スギの木のような高木にからみつくと、高さは15m以上にもなります。絡まれた方は大変ですが…。本州・四国・九州の樹林内や林縁に生育しますが、花付きの良い立派な個体は林縁に多いです。ごく普通の植物ですが、四国や九州の南部の暖地ではヤマフジの方が多い地域もあるようです。

フジは花が咲いていれば誰でもわかると思いますが、一応、特徴は次の3点です。
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幹:つる植物です。つるが左巻きと言われていますが、私はしっかりと観察したことはありません(汗)。この左巻きという意味ですが、時計回りをしながらつるが伸びていくということのようです。
葉:葉は互生(ごせい)し、奇数羽状複葉で、小葉に鋸歯はありません。若いうちは多少毛が目立ちますが、夏以降になると裏面にうっすらと伏した毛が残る程度になります。
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花:花序は細長く、逆さの細長い円錐状になります。花は上から順に咲き、マメ科特有の形をした紫色の花をつけます。

フジに似た植物は前述したとおりヤマフジがあげられます。花が咲いていれば見分けは簡単ですが、花の無い時期だと結構やっかいです。ヤマフジのつるは右巻きということで、半時計回りでつるが伸びていくようです。でも若い個体や、つるが複雑にからまっていると、「君はどっち巻き~?」といった感じになってしまいます。ヤマフジは葉裏の毛の量が多い点でも異なりますが、見慣れていないと難しいですね。