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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北国で出会った植物-109.ツルフジバカマ-

“フジバカマ”と名前がつきますが、秋の七草のフジバカマと全く似ていないのが、このツルフジバカマです。

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青森県弘前市にて(9月15日)。以下、撮影場所・撮影日同じです。

どうして、このような名前になったのかは、よくわかりませんが、日本の野生植物(平凡社)によると“ツルフジ”とはつる草を意味し、“はかま”は葉の付け根にある托葉を表すと書いてありました。区切る位置が違うんですね。知りませんでした。昔の人は風流と言うか、直接的な名前をつけることはしなかったんですね。面白いです。

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つるが四方八方に伸び、こんな感じで群生します。

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容姿がよくわからないので、先っぽを少ししっけいしました。マメって感じです。

ツルフジバカマは以前に紹介した、クサフジの仲間です。羽状複葉(うじょうふくよう)のつる性の草本で、紫色の花を多数つける点で、その仲間であることがわかります。クサフジの仲間の中では花数が多く、花も少し大きめなので、他より見栄えがよい気がします。
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ツルフジバカマはマメ科クサフジ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道~九州に分布します。分布は広いのですが、あまり暖かい地方で見た記憶はなく、私の住む岐阜県美濃地方でも、それほど多くないようです。明るい草地に生育します。

ツルフジバカマの特徴は、類似種との識別点になる葉を中心に紹介します。
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①小葉の形と枚数:小葉(しょうよう:複葉の葉で、11枚の葉のように見える部分)の枚数は1016枚で、楕円形です。
②葉の毛:裏面に毛はありますが、密生というほどではありません。
③葉脈の角度:主脈に対して狭い角度で側脈が出ます。
④托葉:托葉(たくよう:葉の付け根にある小さな葉状の付属片)は袴に例えられるぐらいなので、この仲間の中では大きく、目立ちます。

ツルフジバカマは他の種とは小葉の枚数が少なく、托葉が大きい点で区別できると思います。