すぐに覚えられる常緑植物-18.シシガシラ-
続いてシシガシラです。シシガシラもシダ植物です。
シシガシラも似た植物は多くないですが、オサシダ、ミヤマシシガシラといった非常によく似た仲間があります。でも、オサシダは山地の奥に、ミヤマシシガシラは亜高山帯辺りに分布するので、身近な山で見られるのはシシガシラだけと言ってもよいと思います。シシガシラは北海道から屋久島まで分布します。
シシガシラは葉の形が特徴的です。あと、葉の付け根に“かつおぶし”みたいなものがたくさんついていますが、これを鱗片(植物用語でリンペンと呼びます)と言います。この形が線のように細い(植物用語で線形と表現する)のを覚えておくと、オサシダとの違いがのちのちわかると思います。
シダ植物が胞子で増えるのは、多くの方がご存知だと思います。多くのシダ植物では、胞子は普段見る葉の裏側につくことが多いです。でも、シシガシラは写真に写っている葉(写真の葉は胞子をつけない葉で、植物用語で栄養葉(えいようよう)といいます)とは別な形の胞子をつけた葉(植物用語で胞子葉(ほうしよう)と呼ぶ)をつけます。1枚目写真では右下の黄色い矢印の枯れたピンボケが胞子葉で、栄養葉よりも細く、枯れやすいです。このように胞子葉を形成するのも、このシダの特徴といえます。