春は山菜!-268.スギナ-
岐阜県関市にて(3月17日)。春ですね~。ちょうど食べごろですかね。
皆さんはつくしを山菜として食べますか?私は「はかま」を取るのが面倒なのであまり食べませんが、つくしも立派な山菜ですね。ところで、「つくし」と「スギナ」が同じ種類ということはご存知ですか?これ、結構知らない人もいるんじゃないですかね~。
「つくし」の標準和名はスギナです。「つくし」はスギナの胞子を飛ばすための茎で胞子茎(ほうしけい)と呼ばれます。そして、「つくし」が枯れた後に出てくる「スギナ」は光合成を行うための茎で栄養茎(えいようけい)と呼ばれます。スギナの栄養茎は胞子茎が枯れる頃出てくるので、「つくし」と「スギナ」を同所的に見ることが少ないため(注意して見ていれば、一緒に生えている時期があります)、両者を別の植物と認識してしまう方がいらっしゃるんでしょうね。難しい用語はさておき、「つくし」と「スギナ」は同じ種類というのは覚えておいたほうがよいと思います。
スギナはトクサ科トクサ属の多年生のシダ植物で、日本全国に分布します。「つくし」、もしくは「スギナ」を見たことのない人はいないでしょう。路傍や耕作地周辺といった、人里にごく普通に生育していて、耕作地では結構迷惑な雑草になるかもしれませんね。ちなみにシダ植物の胞子は葉の裏面につくことが多いですが、スギナのように光合成をする茎や葉と、胞子をつける茎や葉が、全く形が異なるという種類も少しあります。このような種類は少ないですし、特徴的なので覚えやすい種類だと思います。
スギナの特徴は次の2点です。
①胞子茎:胞子茎と栄養茎は別で、胞子茎は春先に栄養茎よりも早く出現する、いわゆる「つくし」です。
②栄養茎:茎は細く明るい緑色です。茎の節の部分にいわゆる「はかま」があり、この「はかま」がスギナの葉に該当するようです。葉の基部から10本前後の枝が出ます。枝の方にも節があり、最も基部側の緑色の一節の長さが、茎の葉の部分より長いのが特徴です。
スギナに似た植物なんて無さそうに見えますが、9種ほど類似種があります。ただ、路傍でごく普通に見る種類はスギナだけだと思います。河川敷や砂浜の乾燥地で少し大きなスギナに似た植物があれば、それはイヌドクサでしょう。
イヌドクサは栄養茎と胞子茎の区別がなく、栄養茎の先端に胞子のうがつく。東京都青梅市にて(5月19日)。
イヌドクサは茎の節から出る枝が少なく、色が濃い緑色なのが特徴です。スギナに最も似ているのはイヌスギナだと思います。イヌスギナは湿地に生育し、枝の最基部の一節の長さが歯片より短い点が異なります。