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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

子供の頃かじったな~-15.スイバ-

冬場にロゼットだったスイバが花や実をつける季節になりました。

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三重県鈴鹿市にて(5月10日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。かなり立派な個体。

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耕作地周辺の路傍にごく普通に生育し、いくらでもかじれます。

子供の頃、スイバのことは「スカンポ」と言って、学校からかじりながら帰った記憶があります。少し酸味があるぐらいで、決して美味しいものではないのですが、どうして齧ったのだろう?ワイルド感の表現か…、みんなが知らない事を自慢したかったのか…、まさか本当においしいと感じてはいなかっただろうな…。子供特有の優越感を示したかったのかな~。子供の頃考えていたことは、すっかり思い出せなくなってしまいましたが、スイバの花序を見るとかじったことだけは思い出します。

スイバはタデ科ギシギシ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、日本全国に生育します。路傍や耕作地、草地といった人里にごく普通に見られます。

スイバのロゼットの特徴は以前紹介しましたが、この時期のスイバの特徴は次の3点です。
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容姿:茎が1本から数本直立します。草刈りされる耕作地周辺では背丈が膝丈程度のこともありますが、胸丈ぐらいに成長します。
葉:形は三角状の狭卵形で、縁は波打ち、不明瞭な鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)が出たりします。茎につく葉は葉柄が無く(下部のものは短いものがある)、葉の基部が茎を巻き込む感じになります(植物用語では茎を抱くと表現します)。
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花序:花なのか実なのかよくわからない、細長い円錐状の花序(かじょ:花の集合)をつけます。ギシギシ属の花序は皆似た雰囲気ですが、スイバは同属の中では枝が散開した、まばらな花序になります。色は赤味を帯びた黄緑色~黄緑色で、実には瘤がありません。

似たような植物としてはタカネスイバがあげられますが、これはその名の通り高い山に生育するので、路傍で見るものはスイバと思って間違いありません。ギシギシ属の中でもスイバの葉は特徴的なので、花序と葉の形ですぐに覚えられると思います。