子供の頃かじったな~-15.スイバ-
冬場にロゼットだったスイバが花や実をつける季節になりました。
耕作地周辺の路傍にごく普通に生育し、いくらでもかじれます。
子供の頃、スイバのことは「スカンポ」と言って、学校からかじりながら帰った記憶があります。少し酸味があるぐらいで、決して美味しいものではないのですが、どうして齧ったのだろう?ワイルド感の表現か…、みんなが知らない事を自慢したかったのか…、まさか本当においしいと感じてはいなかっただろうな…。子供特有の優越感を示したかったのかな~。子供の頃考えていたことは、すっかり思い出せなくなってしまいましたが、スイバの花序を見るとかじったことだけは思い出します。
スイバのロゼットの特徴は以前紹介しましたが、この時期のスイバの特徴は次の3点です。
①容姿:茎が1本から数本直立します。草刈りされる耕作地周辺では背丈が膝丈程度のこともありますが、胸丈ぐらいに成長します。
②葉:形は三角状の狭卵形で、縁は波打ち、不明瞭な鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)が出たりします。茎につく葉は葉柄が無く(下部のものは短いものがある)、葉の基部が茎を巻き込む感じになります(植物用語では茎を抱くと表現します)。
③花序:花なのか実なのかよくわからない、細長い円錐状の花序(かじょ:花の集合)をつけます。ギシギシ属の花序は皆似た雰囲気ですが、スイバは同属の中では枝が散開した、まばらな花序になります。色は赤味を帯びた黄緑色~黄緑色で、実には瘤がありません。
似たような植物としてはタカネスイバがあげられますが、これはその名の通り高い山に生育するので、路傍で見るものはスイバと思って間違いありません。ギシギシ属の中でもスイバの葉は特徴的なので、花序と葉の形ですぐに覚えられると思います。