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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

春が旬なスミレ!-275.ヒナスミレ-

ちょっと遅くなってしまいましたが、北の地域ではまだ間にあうかもしれないということで紹介します(もう遅いかもしれません)。ヒナスミレです。

イメージ 1福島県須賀川市にて(4月18日)。春の日差しが似合うスミレです。

ヒナスミレは落葉広葉樹林内に生育するスミレで、高木層の木の葉が開く直前、春の温かい日の光が降り注ぐ林床で花を咲かせます。私の住む岐阜では群生地を見た記憶がないのですが、地域によっては個体数も多く、ヒナスミレが咲き乱れる林床に行くと華やいだ春の気分を満喫できます。

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長野県木曽町にて(5月3日)。春の葉は小さいので相対的に花が大きく見える。

とは言っても、名前のとおり比較的小型のスミレで、個体サイズの割には大きな花をつけるものの、花の色が控えめなピンク色なので、枯葉の上ではそれほど目立ちません。写真ではたくさん咲いている様子をうまく表現できないのですが(技術がないため)、私の脳の中では咲き乱れているように表現されています(笑)。

ヒナスミレはスミレ科スミレ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、茎がないタイプのスミレです。分布域は北海道(石狩以南)~九州(中北部)と広いですが、地域によっては少ないところもあり、都道府県レベルの絶滅危惧種に指定されていることがあります。

ヒナスミレの特徴は次の3点です。
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茎:前述したように、地上茎(ちじょうけい:地上にある茎)はありません。
葉:形状は先端が伸びたハート型です。鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)は明瞭で、まばらに毛があることが多いです。葉の表面に白い斑(白い模様)が出ることもあり、裏面はうっすらと赤紫色になります。
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花:花の色は淡いピンク色で、直径は1.5-2cm程度。花の時期の葉は夏の葉に比べて少し小さいため、葉の大きさの割には花が大きい印象を受けます。側弁には毛があります。

似たような植物としては、シハイスミレ、ミヤマスミレ、フジスミレがあげられます。

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シハイスミレ。岐阜県養老町にて(4月20日)。

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ミヤマスミレ。北海道ニセコ町にて(6月12日)。花の色は青色が少し強めの紫色。

シハイスミレは葉の形は似ていますが先端の尖り方の雰囲気が異なり、側弁には毛が無い点も異なります。ミヤマスミレの葉は先が伸びない点と、側弁に毛が無い点が異なります。フジスミレは私は見たことがないのですが、ヒナスミレとは変種の関係にあるという見解もあり、3種の中では一番そっくりさんかもしれません。フジスミレは葉の先端が伸びない点が異なるようです。全然容姿は似ていませんが、ヒメスミレは名前が似ているので、うっかりまちがってしまいそうですね。