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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

地元で撮影した植物-186.ヒメスミレ-

山桜を見に近所の河川敷公園に出かけた際に出会ったのが、このヒメスミレです。

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岐阜県関市にて(4月10日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

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桜もいいけど、スミレもいいですね~。花見の公園の足元にも注意です!

名前に「ヒメ」とつくことから想像できますが、とても小さな可愛らしいスミレです。どのくらい小さいかというと、草丈が5cm程度。春を代表するタンポポと比べると、写真のような感じになります。

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タンポポはセイタカタンポポ。大人と赤ちゃんぐらいの違いですネ。

これだけ小さいので、光をめぐる競争では背丈の高い植物よりも不利となり、他の植物に覆われてしまうような環境では生きていくことができません。そのため芝生のような頻繁に手入れがされるような公園内の草丈の低い草地や、アスファルトの隙間など、比較的人里に近い場所でよく見かけます。一方、小さいということはちょっとしたスペースでも生きていくことが可能となり、街中の道路の植え込みや未舗装の駐車場で見かけることもあります。ヒメスミレは可愛いだけでなく、しなやかな強さを兼ね備えた都会派のスミレと言えます。

ヒメスミレはスミレ科スミレ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、本州(秋田県以南)、四国、九州に分布します。

ヒメスミレの特徴は次の3点です。
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①大きさと全体の容姿:草丈は10cm未満で、茎のないスミレのタイプです。
②葉:葉は細長い三角形で、葉柄には翼(よく:柄の部分まで伸びる葉の一部分)がありません。基本的にはほとんど無毛。
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③花:花は直径1cm以下、花弁は細身で、色は紫色。多くの個体は側弁(そくべん:横向きに付く花びら)に毛が生えますが、まれに無毛の時もあります。

人里でよく見かける類似種には、スミレ、ノジスミレ、コスミレがあり、いずれも花や個体全体がヒメスミレより一回り以上大きいです。スミレは葉がヘラ型で茎に翼が出る点で異なります。ノジスミレは葉には毛が密生し、側弁は無毛のことが多い点で異なります。コスミレは葉がやや幅広な三角形、花の色は少し淡い紫色な点で異なります。葉の形や花の色は個体差があるので、とにかく見慣れることが一番かもしれません。