木曽川下流-(岐阜県海津市)-
岐阜県海津市は岐阜県の最南端に位置し、愛知県や三重県と接しており、木曽川、長良川、揖斐川の3大河川が流れ込む場所です。今でこそ立派な堤防が築かれており、頻繁に洪水被害が起こることはないですが、昔は頻繁に洪水被害があったようです。
今回訪れたのは、以前夏に訪れた場所よりもさらに下流で、木曽川と長良川に挟まれた細い堤防(背割堤)の木曽川側を主に歩いてみました。背割堤の木曽川側は複雑なワンド(入り江)と連続したヤナギ林が特徴的な環境です。
ワンドの様子。この先進もうと試みましたが、長靴ではムリでした…。
ワンドは漁師さんの船着き場として利用されているところもあり、踏み跡のような道のあるところもありますが、森の中や入り江周辺は基本的に道がありません。森の中はノイバラやネザサの藪となっている部分もあり、入り江は沼状になっているところもあります。手つかずの自然とは言いませんが、暴れていたころの昔の河川の面影を少しぐらいは残しているかもしれません。
別なワンドを奥まで進んだら木曽川に出ました。中州には渡れないですね~。
今回はスゲをメインに見に行ったのですが、入り江の泥地で想像もしていなかった植物に出会えて、とても有意義なGWになりました。今回出会った植物をいつもより多めに紹介します。
まずはスゲの仲間から~。
アイノコシラスゲ。ヤナギ林内で比較的普通に見られました。アイノコという名前ですが、雑種ではなく、シラスゲの変種という扱いになっています。
ヤワラスゲ。トゲトゲした実が特徴的だけど、名前はヤワラスゲ。ヤナギ林で最も普通に見ることができるスゲと言ってもよさそうです。
コジュズスゲ。ヤナギ林で確認したけど、それほど多くはありませんでした。
ワンドの泥地で見られた植物。ちょうど干潮の時に訪れたから見ることができたのかも。
ミズハコベ。葉の長さが1cm以下の小型の植物。ハコベと名前につきますが、ハコベの仲間ではありません。最近はメダカの水草としてこれの類似種のイケノミズハコベが売られています。結構、それが逃げだしていて、ちょっと心配です。
オオアブノメ。絶滅危惧種ですが、大群生していたワンドがありました。こんなに群生している場所は、私は初めて見ました。とてもよい環境なんですね。
アズマツメクサ。これも絶滅危惧種です!こんな植物があるとは、驚きでした!
ワンドは珍しい植物がたくさん生育していたので、季節を変えたら、他にも変わったものが出てくるかもしれません。機会があったら、また訪れてみたいです。