2018年の出会いベスト5-260.ムシャリンドウ-
北海道北見市にて(7月25日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。
基部で分枝するようで、かたまって咲くことが多い。少し時期が遅いのか花がらが目立つ。
もう少し若い頃は、「どこどこであれを見た」とかよく覚えていたのですが、だんだん忘れるようになってきました・・・。年のせいもありますが、毎年新しい植物に出会うので少しずつ忘れないと頭の中に入っていかないのだろうと思います。このブログは自分の備忘録としてもよいのかもしれません。前向きにとらえましょう。
この花の形を見れば、シソ科だな~とわかります。花の色はリンドウに似るけど・・・
ムシャリンドウは「リンドウ」という名前がついていますが、リンドウの仲間ではなくシソ科の植物です。横向きに咲く唇形(しんけい:筒型で先が唇のような形)の花と、「あっかんべー」したような舌状の部分を見れば、リンドウの仲間ではないことは一目瞭然ですね。なんでリンドウという名前になったのでしょう?ちょっと謎です。大きな立派な花をつける点では「武者」という雰囲気もわかりますが、草丈が低いので、全然ごっつい植物ではないです。名前と見た目が全くあわない植物といってもよいかもしれません。
ムシャリンドウはシソ科ムシャリンドウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道・本州(中部以北)に分布し、草地に生育します。シソ科の仲間は葉に鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)があるものが殆どなのですが、ムシャリンドウの葉には鋸歯が無く、その点ではシソ科の仲間では少数派といえます。
ムシャリンドウの特徴は次の3点です。
①葉:葉は長さが2-5cm、幅が2-5mm、線形で対生(たいせい:葉が対になって着く)します。鋸歯は無く、葉の縁は外側に巻き込むような感じになります。葉腋から短い茎を出してさらに葉をつけるので、大小の葉がごちゃごちゃとつきます。茎と葉だけ見ると何の仲間かちょっとわかりづらいです。
②花のつき方:茎の先端に短くて太い花序(かじょ:花の集合)をつけ、花は密生します。
③花:唇形の青紫色の花をつけ、長さは3cm程度です。シソ科の花の共通の特徴ですが、裂片の下側は「あっかんべー」をした舌のような感じに大きくなります。
花が咲いていればシソ科特有の花の形と、線形のシソ科と思えない葉の形を見れば、見間違えるような植物はありません。名前、容姿とも、とても個性の強い植物だと思います。