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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

シソ科植物は花がきれい!-101.カメバヒキオコシ-

植物の名前の字数は短いものもあれば、長いものもあります。たいてい字数が長いものだと、ホソバ~、ヒロハ~、シロバナ~のように、容姿を形容する語句がつくので、その語句が区切りとなって発音します。それでは、このカメバヒキオコシはどこで区切るのでしょうか?
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福島県西会津町にて(10月1日)。以下、撮影場所・撮影日同じです。

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植物の写真と名前を見比べると、関連があることがわかるのですが・・・難しいかな?
正解は、カメバ・ヒキオコシと区切ります。それでは「カメバ」とは一体どういう意味なんでしょう?クレヨンしんちゃん風に「それ、噛めば~」という意味ではありません。「カメバ」とは、「亀のような葉」という意味のようです。ヒキオコシという植物に対して、葉が亀の形のようだからカメバヒキオコシのようです。これを聞いた時、私は「おっー!」と思わず叫びましたが、皆さんはどうですか?

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基部で分枝して大きな株になり、群生します。

カメバヒキオコシはシソ科アキチョウジ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、東北地方南部・関東地方北部・中部地方東北部に分布します。やや湿った明るい樹林地や林縁に生育します。

アキチョウジの仲間は結構分類が難しいのですが、カメバヒキオコシは比較的簡単に区別できます。特徴は次の2点です。
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①葉:葉は幅広く、葉の先が亀の尻尾のように切れ込みます(写真参照)。亀の尻尾の部分には鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)がありません。なお、シソ科なので茎断面は四角形、葉は対生します。


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②花:花は薄紫色で長さ約8-10mm穂状に伸びた花序(かじょ:花の集合)に多数つけます。アキチョウジ属は皆似たような花をつけるので、この雰囲気を覚えておくと、属までは簡単に識別できます。

似たような植物には、ハクサンカメバヒキオコシ(さらに名前が長い・・・)があり、これは亀の尻尾の部分に鋸歯が出る点で異なります。タイリンヤマハッカはかなり似ています。私はあまり見たことがありませんが、タイリンヤマハッカは「大輪」というだけに、花が長さ1.3cmくらいと少し大きくなります。