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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北国で出会った植物-104.ミヤマタニタデ-

深山の谷にはえるミヤマタニタデです。

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北海道稚内市にて(7月18日)。以下、撮影場所・撮影日同じです。

ミヤマタニタデは、名前がそのまま植物を形容しているといってもよいですね。「ミヤマ」=深山の、「タニ」=谷に生育する、「タデ」タデのような植物、といった感じです。タデのような植物?とはどういうことかいうと、実はミヤマタニタデ、「タデ」と名前につくのですが、タデ科ではなくアカバナ科の植物なのです。茎が赤味を帯びていて、じめっとした所にはえるあたりが、タデ科の植物に似ていると思ったんでしょうね。

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背景は谷川。谷川沿いによく出現します。

ミヤマタニタデはアカバナ科ミズタマソウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、分布は広く、北海道~九州にあります。でも、ブナ帯(ブナがはえる地域)から亜高山帯(コメツガやシラビソ等の針葉樹がはえる地域)あたりに生育するので、西日本では、生育地は限定されてくると思います。谷沿いの湿った樹林地や林縁に生育します。渓谷の湿った岩場にも生えます。

ミヤマタニタデの特徴は次の4点です。この仲間は、花が目立たないので、葉や茎の特徴を覚えておくと、ある程度しぼれます。
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①大きさと茎:大きさはたいてい20cm以下です。茎は殆ど無毛です。
②葉:葉は対生(たいせい:葉が対になって着く)し、丸味を帯びた三角形状です。とがった鋸歯があり、葉の基部は心形(しんけい:トランプのハートの上側のような雰囲気の形)です。
③花:目立ちませんが、花びらは2枚で、白色~淡いピンク色。萼やつぼみの方がより赤色が濃くなります。
④実:実は棍棒状で、種子は1個です。

似た植物には、ミヤマタニタデより低山に分布するタニタデ、北海道でたまに見るヤマタニタデがありますが、いずれもより大型(30cm以上)で、葉の形も卵型になります。あと、この仲間は雑種をよくつくると言われています。ですから、ちょっと分類が難しいグループかもしれません。