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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

畑の雑草-247.ハキダメギク-

畑はこれから雑草とのバトルになります。今年は自分で言うのも変ですが、結構草むしりしています。とはいっても借りている畑全面の草むしりはできないので、雑草ががんばっているところもちらほら。早速種子をばらまいていたのが、このハキダメギク

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岐阜県関市にて(6月16日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

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こちらは花付きのよい個体。満開に近い状態ですが、花は目立ちません。

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小さな花が多数集まっていて、花を見ればキクの仲間だというのがわかりますね。

はきだめ」って、ひどい名前ですね・・・。誰がこんな名前で呼び始めたのかというと、有名な植物学者である牧野富太郎先生といわれています。ハキダメギクは熱帯アメリカ原産の外来種で昭和初期にやってきたようです。

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やってきた当時はどんなふうに生育していたのだろう?今は多くの外来種と一緒に生育。

やってきたいきさつはわかりませんが、今も昔も外来種の一部は外国の飼料や種子に混じってやってくることがあり、そのような場合は、畑等で最初に定着するようです。ハキダメギクもそんな畑の隅のゴミ捨て場みたいなところに最初に定着したのかもしれませんね。それを見て「お~、はきだめに見たことのない植物があるな~。フムフム、これは外国の植物だな・・・、それじゃあ名前をつけなきゃいかんな・・・。はきだめに生えているキク科の植物ということで、ハキダメギクにしようかの~」なんて、牧野富太郎先生は軽~く名づけたのかもしれませんが、それにしてもハキダメギクって・・・、ちょっとかわいそうな名前です

ハキダメギクはキク科コゴメギク属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、日本全国に帰化しています。この仲間に在来種は存在せず、全て外来種です。耕作地周辺に多いと思います。

ハキダメギクの特徴は次の3点です。
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①茎と葉:背丈は膝丈以下で茎に開出した毛が密生します。葉は対生(たいせい:葉が対になって着く)し、形は幅の広い卵型~披針形(ひしんけい:かなり細長い卵型)、縁には明瞭な鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)があり、茎と同じような毛が両面にはえます。
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②花:花は茎の先に複数個がまばらにつきます。直径は5mm程度と小さく、花弁のように見える舌状花は白色、中央の筒状花は黄色です。全体的に目立たない花です。
③種子:種子には冠毛(かんもう:タンポポのように実にくっついている毛のこと)があります。冠毛は白色で、先端は細くとがります。


コゴメギク属の植物は日本に自生しないため、あまり似た植物はありません。唯一似ているとすれば、同じ属の外来種でコゴメギクがあります。私はまだ見たことがなく、コゴメギクはまだそれほど分布を広げていないと思われます。コゴメギクはハキダメギクに酷似していますが、茎の毛が殆どなく、冠毛が褐色で、先が細く伸びずボサボサという違いがあるようです。