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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

トゲのある植物-229.トゲミノキツネノボタン-

この植物はどこにトゲがあるでしょうか?名前を見ればわかりますよね~

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東京都世田谷区にて(5月23日)。あまり茎が立ち上がらない個体でした。

トゲミノキツネノボタンということですから、実にトゲがあるのです。

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愛知県田原市にて(4月25日)。すごいトゲですが触っても痛くはありません。

これがトゲかと言われると、正確にはトゲではないような気がします。トゲの役割についてはっきりと調べたわけではありませんが、トゲは捕食者に対する護身用の武器と思われます。生殖器官でもないし、成長に必ず必要でもない物にエネルギーを割いて造るわけですから、それくらいしか理由はないですよね。そう考えると、トゲミノキツネノボタンのトゲは触っても痛くないので、この程度のトゲで捕食者がひるむとも思えません。ですからトゲというよりかはイボみたいな突起物と見たほうがよさそうです。じゃあ、なんでそんなものをつけるようになったか?それは神のみぞ知るという感じでしょうか

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東京都世田谷区にて(5月23日)。黄色の光沢のある花弁からキンポウゲの仲間とわかる。

トゲミノキツネノボタンはヨーロッパや西アジア原産の外来種です。キンポウゲ科キンポウゲ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)、もしくは越年草(えつねんそう:秋に発芽して冬越し、翌春に開花・結実して枯死する)で、在来種のキンポウゲ属の多くが多年草であるのを考えると、やや異質です。本州・四国・九州の各地で確認されているようですが、それほど目にすることはないので、やや控えめな外来種といえます。よく目にする在来種のキツネノボタンケキツネノボタンが水田や湿地に出現するのに対し、トゲミノキツネノボタンはそこまで湿った場所には生育せず、普通の路傍や畑地周辺などに生育する感じです。

ゲミノキツネノボタンの特徴は次の3点です。
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①茎:茎は殆ど無毛で、やや這い気味に斜上します。そのため草丈はキツネノボタンのように高くならず、あまり目立ちません。
②葉:葉は大きく3裂して、さらに縁に大きな鋸歯があります。キツネノボタンやケキツネノボタンのように3出複葉(さんしゅつふくよう:葉柄の先が3つに別れ、小葉3枚からなる葉)にはなりません。
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③実:果実は幅広の側面に細いトゲのような突起を密生します。

実にトゲ(突起)があるキツネノボタンの仲間は、在来種には存在しません。実にトゲがあるキツネノボタンの仲間を見たら、外来種と思ってよいです。実にトゲのある種類としては、イトキツネノボタン、イボミキンポウゲ(女子プロゴルファーみたい)があるようですが、私はまだ見たことがありません。