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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

春を彩るツツジの仲間-236.ヒカゲツツジ-

春の花といえばツツジの仲間も忘れちゃいけませんね~。なっ、なんとこのブログでツツジの仲間を紹介するのはこれが始めてでした~。数あるツツジの仲間で最初に紹介するのはちょっとレアなヒカゲツツジです。

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岐阜県関市にて(4月4日)。野生種では珍しい黄色系のツツジ

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岐阜県関市にて(4月4日)。近づくときれいだけど遠目にみると目立たないですね。

ツツジの花といえばピンクや朱色を想像することが多いですよね。実際、野生の種類ではピンクや朱色が多く、ヒカゲツツジのような黄色系のツツジは少数派だと思います。初めてこのツツジを見た時は「すごく珍しいツツジだな~」と思いましたが、岐阜県では美濃地方を中心に時々目にするので、そこまで珍しいわけではないようです。高山に登る方は、キバナシャクナゲハクサンシャクナゲといった白色や黄色系の花に似ていると思う方もいらっしゃることでしょう。でもシャクナゲの仲間は常緑の分厚い葉をつけるので、葉を見ればシャクナゲとは違うことがわかると思います。ただ、ヒカゲツツジの葉も常緑なので、シャクナゲの仲間に似ていないこともないですね。ヒカゲツツジは一般的なツツジシャクナゲ類との中間的な雰囲気のツツジといってよいと思います。

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岐阜県七宗町にて(4月16日)。このような岩場に生育していることが多い。

ヒカゲツツジツツジツツジ属の常緑低木(じょうりょくていぼく:冬にも葉がついている、4m程度以下の木本)で、本州(関東以西)・四国・九州に分布します。谷沿いや北斜面の岩場や崖地に生育すること多く、なかなか近づいて写真を撮るのが難しいです。たまに針葉樹林に生育していることもあり、近づけるような場所だと1枚目のようなアップの写真がとれますヒカゲツツジの名前は谷沿いの岩場のような薄暗い環境によく生育していることにちなんでいるようです。

ヒカゲツツジの特徴は次の2点です。
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①葉:常緑ですが質感は薄く、枝先に集まる感じで互生(ごせい:葉が交互に着く)します。形は細長い楕円形で先はとがり、全縁(ぜんえん:葉の縁にギザギザがない)。葉の表面や裏面に円形のオレンジ色の点が多数あります。この点は腺点(せんてん)に見えるのですが、図鑑では鱗状毛(りんじょうもう)と呼ばれています。

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②花:枝先に2-4個、淡い黄色の花をつけます。


花が咲いていれば、まず間違える植物はありません。葉も特徴的なので慣れれば葉だけでも見分けられます。ヒカゲツツジの変種でウラジロヒカゲツツジというのがあり、それは葉の裏面が白色になるようです。