身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

鳩吹山-(岐阜県可児市)-

鳩吹山は岐阜県可児市と愛知県犬山市にまたがる山塊の可児市側にある低山です。鳩吹山の山頂は標高313.3mで(山塊では3番目くらいに高い感じ)、山塊は木曽川の右岸に沿って7kmほど続いています。

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鳩吹山の山頂。近すぎてよくわかりませんが中央付近が山頂です。

私は知らなかったのですが、鳩吹山はカタクリの群生地として知られています。当然ですが、既に花は終わっていましたが、まだカタクリは溶けていませんでした(早春の植物は5月頃には地上部が枯れてなくなってしまう)。ちょうど実をつけている状態で、かなりの数のカタクリが広範囲に分布していることがわかりました。

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カタクリの実。まだ葉がシャキッとしているので実も完熟ではないようです。

カタクリの群生地はコナラ-アベマキ林で、林床は草刈がしっかりと行われていました。管理の方法はわかりませんが、年に2回以上は草刈しているように感じました。林床にはチゴユリホウチャクソウジロボウエンゴサクタチツボスミレといった花の咲く植物がある一方で、ネザサ、キヅタ、テイカカズラ、ベニシダといった常緑の植物も多く見られました。亜高木層にはヤブツバキなんかもあり、常緑の植物とカタクリの組合せが面白いと感じました。

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カタクリ群生地の樹林の様子。すっきりとした気持ちのよい樹林です。このようにすっきりとした林床管理がカタクリの維持には必要なのでしょう。

カタクリの群生地は斜面の下部にあるため、山を登り始めるとすぐに見ることができなくなります。山を少し登ると、うちの近所の山と大差が無いような感じになります😄。カタクリ群生地ではコナラやアベマキの大きな木が多かったですが、山を登るとコナラやアベマキは細くなり、アラカシ、ヒサカキ、ソヨゴといった常緑樹が多く混じるようになります。北側の岩場の斜面ではヒカゲツツジがありましたが、花はすっかり終わっていました。

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カタクリ群生地から登山道への入口。ちょっと登っただけでカタクリは見られなくなります。

登山道でこの日(4月10日)一番の見頃を迎えていたのは、コバノミツバツツジヤマツツジ、マルバアオダモ、ウスノキといったところでしょうか。傾斜の緩やかな尾根沿いの道は明るいこともあり、これらの花のトンネルとまではいきませんが、ところどころで花が出迎えてくれて、とても気持ちいい登山道となっていました。

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鳩吹山登山には一番よい時期かもしれません。手前はヤマツツジで奥にコバノミツバツツジが見えます。

今回はカタクリの群生地側から鳩吹山山頂に向かう登山道を登りました(他にも登山道はいくつかあります)。カタクリ群生地を散策して、花を見ながらゆっくり歩いても山頂には2時間ちょっとで着きました。途中展望台もあり、見晴らしのよい場所が山頂以外にも数ヶ所ありました。山頂も見晴らしはよく、木曽川可児市の町が一望でき、遠くには雪をかぶった御岳山や白山が見ることができます。この眺望のよさもこの山の魅力の一つと言えそうです。

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山登りの途中から見た木曽川。蛇行している感じがよいです。

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山頂からの景観。天気が良すぎて白っぽくなってしまいました。ベンチや東屋もあり、お弁当を食べるスペースは結構ありました。

この日は天候の良い休日ということもあり、かなり多くの登山者とすれ違いましたが、びっくりするような軽装の方も中にはいました。お手軽に花と眺望を満喫できる山ですが、ところどころ急な斜面や滑りやすいがあります。足元は最低でも運動靴で行くのがよいと思います。

この日出会った植物はこんな感じ。久々のカメラだったせいか、あまりよい写真がとれませんでした。

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コバノミツバツツジ。ちょうど満開を迎えていました。今回確認できたミツバツツジの仲間はこの1種だけでした。もともと色が淡いので退色とわかりづらいのが残念。

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ヤマツツジ。まだつぼみが多い個体がたくさんありました。これから満開を迎える感じ。

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ウスノキ。これもツツジの仲間。葉だけだとウスノキとスノキの区別が難しいけど花や実があれば簡単。

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カスミザクラ。だと思います。開花している最後の1本でした。

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マキノスミレ。斜面の中腹より下部では殆ど終わっていましたが、山頂近くは咲いているものがそこそこありました。