岐阜県で撮影した植物-196.コチャルメルソウ-
春は花でいっぱいだった渓流周辺も、緑が濃くなってきました。コチャルメルソウがたくさんの実をつけていました。チャルメルソウの由来となったラッパ状の果実から初夏の音色が聞こえてきそうです。
横から見ると実がチャルメラのラッパのよう。中にたくさんの種子が入っていました。
コチャルメルソウはユキノシタ科チャルメルソウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、本州、四国、九州の渓流沿いに分布します。チャルメルソウの仲間は全て渓流沿いに生育しますが、コチャルメルソウは分布の広さ、生育量の多さから本州の渓流を代表する植物と言っても過言ではないかもしれません。
分布が広いため地域によっては他のチャルメルソウ類と混生する場合もありますが、訪花昆虫の違い、開花時期の違い、花粉の付着する位置の違いによって、他種との雑種はあまりできなくなっているようです。簡単に雑種ができてしまう植物がある一方で、コチャルメルソウのように雑種ができにくい植物もあるのですね~。
コチャルメルソウの特徴は次の3点です。チャルメルソウの仲間は花が無いと同定が難しいので、同定に適した時期は春に限定されます
①生え方:匍匐根茎を出すため、かなりまとまって群生することが多いです。
③花:萼は開出します。花弁と雄蕊は5個で、花弁と雄蕊は離れてつきます。雌蕊の先は分裂しないで点状です。