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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

春をつげるヤナギ-120.ネコヤナギ-

いろんな方のブログでネコヤナギの花を見かけるようになりました。春本番まであと少しという感じです。ネコヤナギを含むヤナギの仲間は春をつげる木です。季節がらヤナギの仲間を紹介したいと思います。ここで、私も春っぽいネコヤナギの写真を「ど~ん!」と出したいところですが、この時期は家に引き篭もっていて、あいにく早春のネコヤナギの写真がありません。

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島根県雲南市にて(4月12日)。

では、こんなのはどうでしょう。
一見すると、毛虫のような感じですが、これはれっきとしたネコヤナギです。ちょっと時期が遅く、実になっています。銀色の毛が残っているので、かろうじてネコヤナギとわかりますが、あの可愛らしさはどこにいってしまったのか・・・。ヤナギのような目立たない花でもきれいな時期は一瞬なのかもしれませんね。

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綿菓子のようなものの中に小さな種子が入っている。愛知県設楽町にて(5月8日)。

この実は、さらに時間が経過するとはじけて、綿のような種子を多数ばらまきます。綿毛には小さい種子がついています。時期になると、川沿いでは虫と見間違うほど、たくさんの種子が飛んでいます。
ネコヤナギを含むヤナギの仲間は雄株と雌株があります。思い込みかもしれませんが、写真集などでよく見るかわいらしいネコヤナギの花は雄株(雄花)が多いと思います。ヤナギの花は雄のほうが絵になるようです。

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この木で高さが1.2mくらい。水面に張り出すように伸びます。愛知県設楽町(5月8日)。

ネコヤナギはヤナギ科ヤナギ属の落葉低木(らくようていぼく:冬に葉が落ちる木。高さの決まりはないですが、たいてい4m未満)です。北海道・本州・四国・九州の川辺に分布します。河川の中流部より上流側に分布し、渓流の岩場などにはえていると、とても絵になります。ヤナギの仲間は同定が難しいことで有名ですが、ネコヤナギは比較的わかりやすい植物です。

ネコヤナギの特徴は、次の4点です。
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①生育場所:渓流~中流までの川辺に生育します。川辺でも水がかかるような水辺に生育することが多いです。
②大きさ:低木です。たいてい12m程度だと思います。
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③葉:葉は互生(ごせい:葉が交互に着く)で細長い楕円形。両面ともに銀色の毛があり、裏面で顕著。側脈の形が弓なりになり、裏面で顕著に隆起するのが特徴です(しわしわ感が強い)。
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④実:毛虫のような花序(かじょ:小穂や花の集合)がついていれば、ヤナギの仲間とすぐにわかります。花序4-5cm、種子が入っている子房には銀色の毛が密生します。

ヤナギの仲間は花が終わると、識別が難しくなります。しかも、雑種もできたりするのでなおさらです。同定のコツは、とにかくいっぱい葉を見て慣れることでしょうか。