愛知県新城市 鳳来寺山
6月上旬、植物観察会に参加して鳳来寺山に登ってきました。鳳来寺山は標高695mの低山ですが、岩場の多い山で、古くから修験者の聖地として栄えてきたようです。昔は登るのが大変だったのかもしれませんが、今では鳳来寺山パークウェーという便利な道があり、その駐車場からなら老若男女、比較的簡単に登ることができます。
今ではお手軽となった鳳来寺山ですが、植物の宝庫としても有名な山塊です。ただ登るだけでなく、まわりの植物に目を向けると、きっと楽しさ倍増です。
山頂付近からの植生の様子。愛知県は街のイメージが強いですが樹林が広がります。
山塊には常緑広葉樹のアカガシやツクバネガシ、針葉樹のモミやツガからなる本来の自然な樹林が残されています。
山の中腹にある東照宮周辺には立派なスギ植林があり、訪れた人々を圧倒的な迫力で出迎えてくれます。ここまで立派な樹林になると植林といえども自然的な価値は高いと思われます。
鳳来寺山パークウェイの駐車場から山頂までの道のりでは、鳳来寺山特有の岩場の植生を近くで観察できるポイントは少なかったですが、イワヒバやウラジロギボウシといった特徴的な植物がわずかですが観察できました。このウラジロギボウシは結構珍品で、私はまだこの山塊でしか見たことがありません。
6月上旬で咲いていた植物はこんな感じです。
カキノハグサ。葉が柿に似ていることからこの名前。珍しい植物でそうそう見ませんが、この山にはたくさん生えていました。持ち帰らずにそっと見守ってあげて下さい!
コツクバネウツギ。ツクバネウツギよりも小型の花をつける。萼片が2-3個というのが特徴。
タンザワウマノスズクサ。葉だけの小型の個体はよく目にしますが、花付の個体は珍しい。
マメヅタラン。大木にからまるつる状のランです。1cm程度の小さな花をつけます。
山に登ってから記事にするまでに時間がかかってしまったので、紹介した花の多くが終わっているかもしれません。カキノハグサに出会いたい方は、来年是非行ってみて下さい。
愉快な狛犬?達にも出会えます