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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

名前が紛らわしい植物-194.タニギキョウ-&-195.サワギキョウ-

調査をしていて、容姿が似ていることから「これどっちの植物だっけー」と思うことはよくあります。ところが、容姿は全く似ていないのに、名前が紛らわしくてうっかり間違えてしまうということもたまにあります。今回はそんな植物を紹介します。
まずは草丈10cm程度のタニギキョウです。6月頃に花の時期を迎え、小さいながらも群生するときれいです。

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岐阜県恵那市にて(5月15日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。
 
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しゃがんで目線の高さで見ると、かなり幻想的。意外ときれいで新たな発見!
 
タニギキョウはキキョウ科タニギキョウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道、本州、四国、九州に分布します。名前のとおり、谷沿いの樹林地に生育します。グチャグチャに湿った土壌よりも湿っている程度の土壌を好み、ピーカンに明るい場所よりも半日陰を好むような気がします。

タニギキョウの特徴は次の3点です。
①大きさと生え方:草丈は10cm前後で群生することが多いです。
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②葉:葉身(ようしん:柄を除いた葉の部分)1cm程度の葉を互生(ごせい:葉が交互に着く)します。葉には鋸歯があり、全体に硬めの短毛がまばらにあります。
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③花:茎の先に1つだけ花をつけます。花は白色で径1cm程度、星型に裂けます。横から見るとミニチュアのキキョウのような雰囲気です。

次にサワギキョウです。こちらは80cm前後になる植物で、夏から秋の湿原を彩ります。

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北海道猿払村にて(8月26日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。
 
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とても特徴的な花をつけるので、花が咲いていれば間違える植物はありません。
 
サワギキョウはキキョウ科サワギキョウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道、本州、四国、九州に分布します。名前に「沢」とつくのですが、私は開けた湿原に生育するイメージが強いです。東海三県では、沢沿いの小規模な湿地に見ることもありますが、上空が開けたグチャグチャな湿地に生育しているので、沢登りをするような「沢」には生えることは無いです。

サワギキョウの特徴は次の3点です。
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①茎:茎は太く直立し、枝分かれしません。
②葉:葉には柄がなく、披針形(ひしんけい:かなり細長い卵型)、多数を互生します。葉は無毛で、細かい鋸歯が多数あります。
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③花:茎の先端に4-10個程度の花をつけます。花の色は紫色で幅2cm前後。キキョウの花とは全く異なる形の花をつけます。

このようにサワギキョウとタニギキョウは全く似ていないので、私の頭の中で混乱する原因が名前にあることは明らかです。「沢」と「谷」。私の中ではどちらもほぼ同じ意味の単語なんですよねー。個人的には、サワギキョウの名前をもうちょっと何とかしてほしかったですね。例えば、ヤチギキョウとか、ドロギキョウとか・・・。