身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

春といえば黄色の花-314.サワオグルマ-

このGWに近所の山際の湿地を訪れたらサワオグルマが咲き始めていました。

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岐阜県関市にて(4月29日)。特に記載ないものは撮影場所・撮影日同じです。

自宅周辺では百年公園内の湿地や、山沿いの湿地を訪れるとちょくちょく目にする植物ですが、地域によってはかなり少ない植物のようです。サワオグルマが普通に見られる湿地はそれほど多くないようなので、この環境がこれからも残されることを願います。

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とても鮮やかな黄色。山際の日陰の湿地でとても目立ちます。

さて、このサワオグルマを近づいて写真に収めるには、長靴が不可欠です。それもできるだけ長めのものがよいです(胴長までは必要ありません)。この写真を撮影した帰りに、長靴ギリギリまで埋まったので、短かったらアウトでした。私が近所で見るサワオグルマの生育地は、いずれもこんな感じのズブズブ…となるような湿地周辺に生育しています。

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岩手県奥州市にて(6月7日)。満開の頃は茎が伸びる感じ。

サワオグルマはキク科オカオグルマ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、本州~琉球に分布します。山際の半日陰になるような湿地に生育します。名前の由来は沢沿いに生育するオグルマに似た植物ということだと思います。元祖というべきオグルマは秋に咲く植物で、花の雰囲気は似ていますが全然異なる植物です。

この年のGWはコロナウィルスの影響で市内から外出することがなく、若干退屈ではありました。でも、自宅の近所でサワオグルマのようなきれいな植物を見ることができて、改めて身近な自然のよさを感じました!

サワオグルマの特徴は次の3点です。

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①生育環境:湿地です。特に山際の湿地に多い気がします。

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②葉:葉は互生(ごせい:葉が交互に着く)し、開花時に根生葉(こんせいよう:地面際に付く葉)があります。根生葉は大きく、明瞭な柄があります。茎葉は楕円形~披針形で柄が無く、基部を抱きますが、明瞭に抱かないこともあります。葉には細かい歯牙(しが:ごく細かな開出気味の鋸歯)があり、若い葉には両面とも綿のような白い毛(植物用語でくも毛と言います)がうすくあります。この毛は時間が経過すると殆どなくなるようです。

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③花:花は4-6月に咲き、黄色です。形状はキクのような感じで、直径は4cm前後で、茎の先端に多数つきます。

類似種にはオカオグルマがあります。オカオグルマは根出葉が10cm以下と小さく柄が無い点が特徴で、名前のとおり湿地ではない適湿な環境に生育します。私はあまりみたことがないですが、水田周辺の斜面草地に生育していたような気がします。

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徳島県美馬市にて(4月29日)。根生葉と茎葉は同じような形です。