身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

岐阜県で撮影した植物-189.ワサビ-

沢沿いのスギ植林を歩いていたらワサビに出会いました。ワサビ田ではないですよ。

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岐阜県山県市にて(4月21日)。以下、撮影場所・撮影日同じです。

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谷沿いのスギ植林内に多数生育していました。花も結構きれいです。

ワサビと言えば、伊豆半島や長野県のワサビ田が有名ですよね。ワサビソフトとか、ワサビ漬・・・etc.食材として知らない人はいませんね。「ワサビって自然に生えているんだー」と思う方もいらっしゃいますが、岐阜県内ではほぼ全域に分布しています。ただ、純粋に自然かと言われると、よくわからない時もあります。伊豆半島を歩いた時にもよく目にしましたが、あれだけいろんなところでワサビ田をやっていれば、逃げてきたものとも考えられます。北海道では導入されたものが野生化したとも言われています。岐阜県では導入されたという話は聞かないし、大規模なワサビ田も無いので、多くは自生と考えてよいと思います。

ワサビはアブラナ科ワサビ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道、本州、四国、九州に分布します。ワサビ田を思い浮かべてみればわかりますが、清流を好む植物なので、生育地は半日陰の沢沿いに限られます。水中に生育するわけではないので、スギ植林のような樹林地にも生育します。

ワサビの特徴は次の3点です。
①生育環境:水のきれいな沢沿いの林縁や樹林地。湿地や湿潤地。
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②葉:葉脈が明瞭な光沢のある大きな葉を根生(こんせい:地面際に多数の葉をつける)します。葉には長い柄があり、葉身(ようしん:柄を除いた葉の部分)はハート型から円形、縁に鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)があります。
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③花序と花:茎の先に試験管ブラシを想像させる総状花序(そうじょうかじょ)をつけます。花は白色で花弁は4枚です。図鑑(日本の野生植物(平凡社))によっては花序をつける茎は立つと書いてありますが、寝る時もけっこうあります。


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ユリワサビ。ワサビよりもだいぶ小型です。岐阜県郡上市にて(3月18日)。

似たような植物にはユリワサビがありますが、ユリワサビは全体小型で葉脈がはっきりしません。ワサビは葉の大きさや見た目が特徴的なので、花が無くても慣れればわかります。かじると少し辛味があるのも特徴です。ただ、市販のワサビのような太い根茎をつけることは少なく、立派な個体を見つけると掘りあげてみるのですが、残念ということが多いです。