身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

栃木県小山市・野木町 渡良瀬遊水地

良瀬遊水地は関東地方に残された広大な湿地帯として有名な場所です。

イメージ 5

イメージ 1
レッドデータプランツのノウルシの群落。こんな大群生はなかなか見られない。

水鳥の生息地として重要な湿地の保全を目的としたラムサール条約に指定された湿地のようですが、私にとっては「貴重な湿生植物の宝庫」といった印象の方が強いです。

イメージ 2
遊水地内は広大なヨシ原やオギ原が広がっています。一見すると大自然のようにも見えますが、この湿地はかなり人手が入っています。むしろ人手が入ることによってこの環境が維持されているといってもよいでしょう。

イメージ 3
足元には野焼きの跡が見られます。火は休眠中の草にはあまり影響が無い。

渡良瀬遊水地では早春に全域ではないと思いますが、野焼きが行われています。野焼きは地表の枯れ草を焼くことによって地表を明るくする効果があり、これによって春先の小型の植物が生育しやすくなります。野焼きをしないと枯れ草が地表に堆積し、年々積もっていくと地表が暗くなり、小型の植物は生育できなくなってしまいます。

イメージ 4
遊水地内に存在する河川や池沼も、基本的には人が手を加えています。特に最近は乾燥化が進行しているらしく、人為的に掘削をしたりして湿地を再生したりしているようです。乾燥化については、人為的な水路の開設や道路の整備も一因とは考えられますが、洪水による土壌の堆積、植生の遷移といった自然的な要因もあり、実際に昔に比べれば乾燥化は進行しているのでしょう。掘削の効果についてはよくわかりませんが、湿地環境が良い方向に進むことを願います。

イメージ 6
難しいことはさておき、春の渡良瀬遊水地は本当に気持ちのよい場所です。様々な緑色の絨毯と青い空、気持ちよい風、人々に開発される前の坂東平野はこんな風景がもっと広がっていたのかな~。植物観察も最高の時期です。春特有の華々しい花は多くないですが、この場所でしか見られないような植物が多く、是非とも訪れたい場所の一つだと思います。

今年は春が少し遅く、花の時期には少し早かったのが残念ですが、貴重な植物たちを見ることができました。

イメージ 7
ノウルシ。訪れた日に一番きれいに咲いていた。黄色と緑色のグラデーションが印象的。

イメージ 8
トネハナヤスリ。地味なシダ植物ですが珍品です。この珍品がわんさと生えています。

イメージ 9
ゴマノハグサ。これも珍品ですが、この時期は葉だけ。是非とも花が見たいものです。

イメージ 10
エキサイゼリ。セリに似ていますが小型で花の時期(セリは夏に咲く)が異なります。


イメージ 11
ハナムグラ。もう少ししたら白い花を咲かせます。これも私は渡良瀬でしか見たことない。