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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

早春の植物-183.コセリバオウレン-

いろんな方のブログでネコノメソウの仲間の写真が紹介されていたので、私もネコノメソウの仲間を見に少し足を伸ばしてみました。残念ながら、目的のネコノメソウの仲間は殆ど咲いていませんでしたが(記事掲載頃は咲いていると思います)、満開の「今が旬」な植物に出会えたので紹介します。コセリバオウレンです。

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岐阜県郡上市にて(3月18日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

早春の植物というと、フクジュソウキクザキイチゲカタクリなど、わりと華やかな植物を想像しがちですが、コセリバオウレンはかなり控えめな春植物です。群生していたから気づきましたが、数本程度では気づかなかったかもしれません。

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引いて撮影するとこんな感じです。かなり目立ちません。

一見すると葉が見当たりませんが、葉は落ち葉に埋まっていて、ボロボロですが昨年のものがあります。

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この個体は花期の後半。中央の雌しべがだいぶふくらんできている。

岩場の落ち葉が堆積しない場所に生育していた個体は、きれいな立派な葉を残していました。ただ、葉もあわせて全体を撮影すると、花が本当に目立ちません・・・。

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岩場に生育していた立派な個体。それでも花付きはこんなもんです。

コセリバオウレンキンポウゲ科オウレン属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、本州と四国の湿った樹林地に生育します。図鑑ではスギ植林に多いとありましたが、私も今回スギ植林で見ました。

コセリバオウレンの特徴は次の3点です。花や葉、果実に特徴があるので、比較的覚えやすい植物だと思います。
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①葉:葉は全て地際から出ます。33出複葉(さんかいさんしゅつふくよう)という形です。これは3回枝分かれす3出複葉(さんしゅつふくよう:葉柄の先が3つに別れ、小葉3枚からなる葉)という意味です。イメージとしてはセリの葉をもう少し細かく切れ込ませた感じです。
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②花:茎の先に3花程度をつけます。一番長い花びらのように見えるものは萼で、これが5-6枚、星のような形になります。萼は白色です。
③果実の形と付き方:果実は昔の車輪のように多数付き、果実の中に複数の種子が入っています。ただ、この果実の付き方は、オウレン属共通の特徴なので、果実だけでは類似種とは区別が難しいです。

類似種としてはウスギオウレンがあげられます。私はまだ見たことないですが、コセリバオウレンとは花の色が淡い黄緑色という点が異なるようです。ただ、コセリバオウレンも花期の後半になると、個体によっては若干黄色っぽくなるものもあり、色合い違いでわかるかな・・・と不安になります。図鑑を見ても両者の色合いの違いが微妙なので、現物を見たいなーと思っています。あとは、コセリバオウレンの葉の切れ込み方の違いで、セリバオウレン(23出複葉)、キクバオウレン13出複葉)と変種に区別できるようです。