身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

春のネコちゃん-237.ネコノメソウ-

皆さんは犬派それとも猫派ですか?私はどちらかと言えば猫派なので、春に出会えるネコノメソウの仲間が大好きです。少し遅くなってしまいましたが、この春に出会ったネコノメソウを紹介します。

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岐阜県関市にて(4月4日)。ことわりがないものは撮影日・撮影場所同じです。

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黄色の花と緑の葉のグラデーション。この絶妙な色彩が美しいですね。

ネコノメソウの仲間はユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、国内には19種ほどあるようです。それぞれ「○○ネコノメソウ」といった名前がつけられていることが多いですが、ここで紹介しているネコノメソウは本家で、「ネコノメソウ」が正式な和名になります。本家だけに、北海道・本州・四国・九州(北部)と広範囲に分布し、岐阜県ではヤマネコノメソウとともに比較的簡単に出会うことができるネコノメソウの仲間です。本州ではそれほど珍しくないですが、四国や九州では生育地は多くないみたいで、県によっては絶滅危惧種に指定されています。

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関市で今回撮影した場所はこんな感じ。ため池の上流側の湿地です。

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ネコノメソウは時にはこんなに群生することもあります。青森県階上町にて(5月23日)。

猫はあまり水辺を好まないですが(子供のころ飼っていた猫は風呂をすごく怖がって暴れてたなー)、ネコノメソウの仲間は谷沿いの湿地や渓流畔に生育するものが殆どです。特にネコノメソウは谷沿いのビチャビチャな湿地に群生することが多いので、ネコノメソウに会いに行く際は長靴で行くことをお勧めします。

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ネコノメソウの果実の写真がなかったのでヒダボタンで代用。岐阜県郡上市にて(5月7日)。

肝心なことを言い忘れていました。なんでこの植物が「猫の目草」と呼ばれるかです。それはネコノメソウの果実が割れた時の形が、猫の昼間の瞳孔の形(昼間の細い目)に似ているからだそうです。最初に名づけた人も相当な猫派だったんでしょうね~。

ネコノメソウの特徴は次の3点です。
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①茎:茎は無毛です。
②葉:葉は明るい緑色で対生(たいせい:葉が対になって着く)し、葉身(ようしん:柄を除いた葉の部分)は円形に近く、鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)があります。葉の厚さは薄い感じです。
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③花:花は小さく、萼は直立して黄色から黄緑色。雄しべは4本で葯は黄色。花のすぐ下の葉の部分は黄緑色。


雄しべ4本というのが大きな特徴なので、花が咲いていれば間違えることはないと思います。ヤマネコノメソウはたまに雄しべが4本になりますが、葉が互生の点で異なります。個人的には葉の色彩や質感(うすい感じ)も特徴的なので、慣れれば花が無くてもネコノメソウは見分けることができます。