身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

岐阜県で撮影した植物-182.イワニガナ-

だいぶ暖かくなり、道端のタンポポも目立つようになってきました。既に近所の道端のタンポポは紹介しているので、タンポポに似た植物を紹介します。イワニガナです。

イメージ 1
岐阜県高山市にて(6月3日)。下段の写真も撮影日・撮影場所同じです。

イメージ 2
丸っこい小さな葉と鮮やかな黄色の花が可愛らしい。

の形はタンポポに似ていますが、タンポポと比べ物にならないくらいに小さいです。下段の写真の背景に落ち葉が写っていますので、背丈は落ち葉一枚と同じくらいということがわかります。落ち葉の大きさも様々ですが、具体的には背丈が10cmぐらいです。地表につるを伸ばして群生する様子から、ジシバリ(地縛り)という別名もあります。

イメージ 3
オオジシバリ岐阜県関市にて(4月12日)。名前のとおりひとまわり大きいです。

似た植物にはオオジシバリがありますが、イワニガナよりも一回り以上大きく、名前も大きさの違いに由来しているのでしょう。ジシバリという呼び名はたまにオオジシバリを指すこともあるようなので、イワニガナという和名を用いるのがよいと思います。

イワニガナはキク科ニガナ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道~琉球まで、日本全国に分布します。この写真は川沿いの樹林地で撮影していますが、河原、崩壊地、林道の切土斜面等で見ることが多く、本来は開けた裸地的な環境を好むようです。

イワニガナの特徴は次の3点です。
イメージ 4①生え方:地表に匍匐枝(ほふくし:地面を横に這うような茎。節から根が出る)を伸ばし、マット状に群生します。
イメージ 5
②葉:白っぽい黄緑色で、無毛。鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)はありませんが、1-2対の突起が出ることもあります。オオジシバリ(葉の長さはたいてい10cm以上)に似た葉をつけますが、イワニガナの葉の多くは5cm程度とだいぶ小さいです。
イメージ 6
③花:舌状花のみからなり、直径は2cm前後。オオジシバリと花のつくりは全く同じですが、ひとまわり小さいです。


似た植物には既に述べていますがオオジシバリがあげられます。最近はオオジシバリとイワニガナで迷うことはないのですが、大昔に迷ったこともあり、生育状況によっては似ているのがあるのかもしれません。高山帯や亜高山帯にミヤマイワニガナというものがあるようですが、イワニガナとの違いがよくわからず(高い標高にはえているイワニガナを見たのかもしれない)、私にとっては謎の植物です。