岐阜県で撮影した植物-182.イワニガナ-
丸っこい小さな葉と鮮やかな黄色の花が可愛らしい。
花の形はタンポポに似ていますが、タンポポと比べ物にならないくらいに小さいです。下段の写真の背景に落ち葉が写っていますので、背丈は落ち葉一枚と同じくらいということがわかります。落ち葉の大きさも様々ですが、具体的には背丈が10数cmぐらいです。地表につるを伸ばして群生する様子から、ジシバリ(地縛り)という別名もあります。
似た植物にはオオジシバリがありますが、イワニガナよりも一回り以上大きく、名前も大きさの違いに由来しているのでしょう。ジシバリという呼び名はたまにオオジシバリを指すこともあるようなので、イワニガナという和名を用いるのがよいと思います。
イワニガナはキク科ニガナ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道~琉球まで、日本全国に分布します。この写真は川沿いの樹林地で撮影していますが、河原、崩壊地、林道の切土斜面等で見ることが多く、本来は開けた裸地的な環境を好むようです。
イワニガナの特徴は次の3点です。
①生え方:地表に匍匐枝(ほふくし:地面を横に這うような茎。節から根が出る)を伸ばし、マット状に群生します。
②葉:白っぽい黄緑色で、無毛。鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)はありませんが、1-2対の突起が出ることもあります。オオジシバリ(葉の長さはたいてい10cm以上)に似た葉をつけますが、イワニガナの葉の多くは5cm程度とだいぶ小さいです。
③花:舌状花のみからなり、直径は2cm前後。オオジシバリと花のつくりは全く同じですが、ひとまわり小さいです。