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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

2017年の出会いベスト5-222.メアカンキンバイ-

2017年の出会いの第2位はメアカンキンバイです。

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北海道ニセコ町にて(7月17日)。花よりも葉の色と形が印象的でした。

これも羊蹄山の山頂付近で出会った植物で、初めて見る植物でした。葉の形と色合いが非常に特徴的で、ヘビイチゴに似た鮮やかな花がついていたので絵合わせでメアカンキンバイとすぐにわかりました。
他の植物があまり生えないような砂礫地に多く生育していました。直射日光があたり乾燥が厳しそうな環境ですが、地面にはいつくばって花を咲かせていました。

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北海道倶知安町にて(7月17日)。砂礫地が生育環境のようです。

家に帰ってから知ったのですが、メアカンキンバイは北海道固有の植物のようです。固有植物とは、世界中で特定の地域にしか生育していない植物のことで、北海道固有の植物と言えば、世界中で北海道だけにしか生育していない植物ということです。しかも、北海道のどこでも見られるわけではなく、知床、雌阿寒岳大雪山、そして羊蹄山等の限られた高山にしか分布しないようです。そんな貴重な植物だったとは、驚きでした!うーん、そうと知っていれば、もう少し写真をたくさん撮ってくればよかったなー

メアカンキンバイはバラ科タテヤマキンバイ属の超小型の低木です。この前に紹介したリンネソウといい、高山には一見すると草のような木本がよく見られます。このような矮性の低木は高山という厳しい環境に適応した形なのかもしれませんね。

メアカンキンバイの特徴は次の3点です。
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①全体の容姿:茎は地表を這い多数分枝するので、ある程度まとまってはえます。草丈は10cm程度です。
②葉:葉は3出複葉(さんしゅつふくよう:葉柄の先が3つに別れ、小葉3枚からなる葉)で、葉の先端は浅く3~5裂します。全体白っぽい緑色(色合いが特徴的)で、葉の両面に伏した毛があります。
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③花:花は直径15mm前後で、鮮やかな黄色。花弁は互いに接しないで隙間があり、隙間から萼が見えます。


花だけ見ればミヤマキンバイ等のキジムシロ属の植物と似ていますが、キジムシロ属の植物とは葉が大きく異なるので、よく見れば間違えることはないと思います。同属のタテヤマキンバイは葉の形は似ていますが、花が小さく、花弁が萼よりもかなり短い点が異なります。

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同じような高山に生育するミヤマキンバイ。葉の形が異なる。富山県立山町にて(8月29日)。