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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北国で出会った植物-113.ヤナギタンポポ-

ヤナギタンポポです。“タンポポ”とはつきますが、全体の容姿はタンポポに全く似ていません。

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北海道稚内市にて(9月3日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

この個体は、私がこれまでに見た中では最大級(120cmくらい)なので、これは異常にでかいと思ったのですが、図鑑を見ると30-120cmとあり、これくらいになる時もあるんですね。ちょっと驚きでした。私がこれまで見てきたサイズは50-70cmぐらいで直立するようなものが多かったです。

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上から撮影。タンポポより舌状花の数が少ない感じです。

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横から撮影。総苞片が広がらないので国内産タンポポみたいです。

花を見ると黄色の舌状花(ぜつじょうか)だけからなり、花を拡大するとたしかにタンポポに似ています。
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“ヤナギ”の由来は葉がヤナギのように細いからだと思います。そうすると、ヤナギタンポポという名前もまんざら変ではないですね。失礼しました。

ヤナギタンポポはキク科ヤナギタンポポ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道・本州・四国に分布します。私はわりと冷涼な地域の草地で見ました。

ヤナギタンポポの特徴は、次の4点です。
①生え方:茎は直立し、花の時期に根生葉(こんせいよう:地面に接するように付く葉)はありません。
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②葉:葉は互生して細いです。全縁の時もありますが、写真のように2-3対の細く短い裂片が出ます。この葉が“ヤナギ”の由来ですね。
③茎:短い毛がありますが、剛毛はありません。
④花:タンポポのような鮮やかな黄色の花を多数つけます。花は舌状花(ぜつじょうか)のみからなり、直径は2-3cmぐらいです。

あまり似た植物はないようですが、印象がうすい植物のような気がします。葉の細いアキノノゲシホソバアキノノゲシ)やコウゾリナなんかが雰囲気は似ています。いずれも平野部に多い植物なので、同所的に生育することはあまりないと思います。コウゾリナは山地にも出るので、ひょっとしたら同所的に出るかもしれません。ただ、コウゾリナは茎や葉に剛毛(硬い毛)がでるので、間違えることはないと思います。