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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北国で出会った植物-108.ハイキンポウゲ-

植物好きの人が見れば、キンポウゲだ!とわかりますよね。でも、なんか随分と密生して、背丈が低いですね。これは、ハイキンポウゲです。

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北海道稚内市にて(7月18日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

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花だけ見れば、よく見るキンポウゲとそっくりです。

名前が示すように、茎が地表をはいまわって群生します。花の背丈は20cm程度と低いですが、這い回る茎から多数の花茎を伸ばすので、低い視線から見ると、とてもきれいです。

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動物の視線から見るとこんな感じ。黄色い花が点々と咲いて、きれいです。

ハイキンポウゲはキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)です。北海道・本州(東北地方と関東北部)に分布し、湿った草地や林縁に生育します。このハイキンポウゲ、よそものか、もともとのものなのか、見解がわかれている植物のようです(私も最近知りました)。北海道の帰化植物に関する書籍(北海道帰化植物便覧)では、史前帰化植物(しぜんきかしょくぶつ:この定義は書籍によっても違うかもしれませんが、稲作文化などが伝来した頃にやってきた植物とされています)とされています。外来種ハンドブック(日本生態学会編)では、普通に外来種として掲載されています。日本の野生植物(平凡社では在来種という扱いです。今回、私が確認した場所は林道脇の少し薄暗い湿った林縁でした。純粋に自然な環境とは言えませんが、それほど人の利用頻度が高いわけでもなさそうでした。群生する生え方は外来種のようにも見えますが、在来種でも似たような生え方をする植物はたくさんあるので、外来種か在来種か、判断はとても難しそうでした。

ハイキンポウゲの特徴は、次の3点です。
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①生え方:地表を這う匍匐枝(ほふくし:横に伸びる茎で、茎の節から根を出す)で増え、群生します。
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②葉:3出複葉(3しゅつふうよう:3つに完全に分裂した小葉からなる葉)で、小葉(しょうよう:複葉の葉で、11枚の葉のように見える部分)3裂します。
③花:直径1.5cm前後の黄色の光沢のある花(キンポウゲの仲間に共通です)をつけ、萼片は反曲しません。

あまり似た植物はないようですが、ツルキツネノボタンという植物があるようです。私も見たことがないので、似ているかどうかはわかりません。