身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

地元で撮影した植物-178.メヒシバ-

スゲ類の写真がネタ切れとなり、季節外れの植物を紹介します。畑や路傍で普通に見る雑草ベスト5には入るであろう、メヒシバです。

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岐阜県関市にて(8月7日)。お借りしている畑にもいっぱい生えてきます・・・。

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群生するとこんな感じ。近所ではうまく撮れなかったので。神奈川県川崎市にて(7月1日)。

ごく普通の植物ですが、いざ写真に収めようと思うとなかなか難しいんですよね・・・。あまりよい写真ではありませんが、「あー、あれかー」と思っていただけたら十分です。

メヒシバはイネ科メヒシバ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、日本全国の畑地や路傍に生育します。
穂の形が特徴的なので、簡単に覚えられる植物の一つですが、実は類似種が結構あるのです。外来種も含めると、日本では15種ほどが知られています。ただ、この仲間は暖地で種数が多くなるグループなので九州南部以南に行かない限りは、そうそう変わったものに出くわすことはないと思います。私もメヒシバの仲間では見たことがない種が結構あります。

メヒシバの特徴は次の3点です。
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①葉と茎:葉の基部は葉鞘となって茎を抱きますが、葉鞘には開出した長い毛がはえます。毛の量は個体差があり、たまに無毛の個体があったりします。葉はそれほど長くならない点も特徴で、葉鞘の毛と葉の形で慣れれば穂がなくてもわかります。
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②花序の形:メヒシバの花序は10個未満の総(そう:写真参照)からなります。この総は1箇所から数本出るのですが、通常、総の出る箇所が2段となります。また、総の軸の縁にはルーペで見ると鋭い鋸歯があるので、上から下に指をすべらすとひっかかりを感じることが多いです。
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③小穂:小穂(しょうすい:写真参照)2.5mm以上の長さがあり、先がとがります。

本州でよく見かける類似種としては、アキメヒシバとコメヒシバがあげられます。アキメヒシバは総の数が少なく、小穂が小さく先が丸くなる点で異なります。コメヒシバは小穂の形はメヒシバと似ていますが、総の数が少なく、総の軸が平滑な点で異なります。メヒシバの小型のものは総が少なくなり、類似種と似てくるので、小穂や総の軸をしっかりと確認する必要があります。