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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

地元で撮影した植物-179.コミカンソウ-

これまた季節外れの草ですが、コミカンソウです。「ミカン」がまだ季節的に大丈夫か・・・、いや、もう「温州ミカン」も時期が終わっていますね。

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岐阜県関市にて(8月7日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

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30cmに満たない小型の草ですが、一目見たら忘れない変わった容姿をしています。

コミカンソウは夏から秋に見られる畑雑草です。コミカンソウの名前の由来は、実の雰囲気がミカンに似ていて、小さなミカンに似た実をたくさんつけるから、コミカンソウになったのだと思います。コミカンソウがあるなら、ミカンソウがあるのかと思いきや、ミカンソウという植物はありません。

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このミカンのような実がかわいくて、憎めない雑草です。

コミカンソウはトウダイグサ科コミカンソウ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、新分類体系ではコミカンソウ科コミカンソウ属となります。本州(福島県以南)、四国、九州、琉球に分布します。この仲間は木本もあり、南方に行くと種数が多くなり、琉球では結構ややこしくなるみたいです。また、最近は外来種も入ってきており、以前、東京都内の歩道を歩いていたら、街路樹の根元に見かけない輩がいっぱいはえていました。

コミカンソウの特徴は次の3点です。
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①全体の容姿:全体の容姿が特徴的で、「複葉」をご存知の方は一瞬どれが一枚の葉か判断に迷います。②の実の付き方がヒントになるのですが、コミカンソウは複葉ではなく、枝に小さな単葉をつけていることになります。直立した赤い茎に、水平気味に枝を出し、小さな葉をたくさんつける容姿がとても特徴的です。
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②果実の付き方:果実は葉の付け根に1個つきます。葉の付け根に実が付くということは、この葉は小葉ではなく普通の葉ということになります(複葉の小葉の基部に実がつくということはありえないので、この点からコミカンソウは複葉ではなく、単葉と言えます)。
③果実:果実の大きさは直径3mm前後で、熟すと赤味が強くなります。殆ど柄が無く、表面に突起があります。


似たような植物にはヒメミカンソウがあり、こちらは果実に突起が無くつるんとしています。ちなみに、「ヒメ」も「コ」も小さいという意味ですが、ヒメミカンとコミカン、どちらの実が小さいかというと、ヒメミカンの方が少し小さいようです。外来種のナガエコミカンソウやキダチコミカンソウには果実にやや長い柄がある点で異なります。