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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

2016の出会いベスト5-166.ミヤマツチトリモチ-

仕事が忙しく植物の紹介がご無沙汰となってしまいました。前のテーマはすっかり忘れ、2016年も残りわずかという状況になってしまいました。月日のたつのは早いものです・・・。この状況になれば、紹介する植物は決まっています。今年の出会いベスト5です。新しい植物との出あいはかなりうれしいもので、順位はつけようがないのですが、とりあえず第5位のミヤマツチトリモチです。

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岐阜県高山市にて(8月3日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

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まず、知らない人が見たら、植物とは思わないでしょう。ほとんどキノコですよね。
これを見つける2日ほど前に、一緒に出かけていた調査員の人が、「ミヤマツチトリモチ見たよ~」と言っていたので、すごくうらやましかったんですよね~。自分も何とか見つけたいと思っていたところだったので、見つけた時はメチャクチャうれしかったですね。「おーっ、あった~!」て感じです。

ミヤマツチトリモチはツチトリモチ科ツチトリモチ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)です。ウリハダカエデ等のカエデ類やイヌシデ、クロヅルといった植物の根に寄生する植物です。寄生植物なので、葉緑体は持たず、この仲間は一見すると皆キノコのような感じです。本州(秋田県岩手県以南)・九州の落葉広葉樹林に生育するようです。

キノコとさえ思わなければ、ミヤマツチトリモチの判別は簡単です。
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①:全体の容姿:キノコを思わせるこの形を覚えて下さい。大きさは8~15cmくらいです。
②:色:花穂は暗い橙色からやや黄色っぽい橙色。茎は赤味が強いですが花穂と似たような色です。
③:生育環境:標高500から1000m付近の谷沿いの落葉広葉樹林で見られることが多いようです。私が見たのも、標高1000m付近の谷沿いの落葉広葉樹林でした。カエデ類に寄生するようですが、樹木の根元に生えるわけではないようで、何に寄生しているのかはわかりませんでした。


れを見つけてから3ヵ月後ぐらいに同じ場所を訪れましたが、枯れてすっかりなくなっていました。よく見ると残骸がありましたが、その状態で気づくのは難しそうです。生育期間も短く、目立たない植物なので、まさに出会いは一期一会といった感じですね。次に新たな個体と出会えるのはいつになることか。