身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

写譜と植生図

現場シーズンが終わってこの時期になると内業生活となり、引きこもり状態となります。昼も家で作るようになり、「昼休み」という時間がとれるようになります。昼はNHKつけっぱなしということが多く、「サラメシ」という番組を週1回見るようになります。
先日、この番組に写譜屋さん「楽譜を作成する人達」が取り上げられていました(初めて知る業界の方々でした)。なかなか職人的な仕事のようで、詳細はわかりませんが、取材を受けていた方は、作曲家や演奏家から絶大な信頼を受けているようでした。作曲家さんからは、「この人だから仕事を頼める」とまで言われていたので、さぞ実力があるのでしょう。
これを見て、うちの業界も似たところあるかも、と思いました。今年も何本か植生図を描きましたが、この植生図作業が、写譜と似ているかもしれません。
植生図の作成は、全て自分の眼で見て描くことができれば、調査者による違いはそれほど大きくはありません。でも、植生図作成範囲が広大な場合(例えば環境省の植生図)、全てを見て描くことは不可能です。一生かけて、しかも給料をいただけるなら、がんばりますが、いろんな意味で全てを見て描くことは不可能です。
そうなると、現地調査で得た知見、航空写真の見え方、既存の植生学の知見を加味して、見ていないところも植生図として完成させなければなりません。ここが、職人魂の見せ所です。このあたりの総合力の違いで、植生図の出来に少し違いが出てくるような気がします。
私の植生に関する見識も、まだまだ発展途上です。「あなただから仕事をお願いする」と言われるよう、これからも精進していきたいと、あらためて思いました。