夏井川渓谷(福島県いわき市)
もうすぐ夏休みも終わりですね~。いっぱい思い出がつくれましたか?今年の私は家族旅行も無く、お盆休みも殆どなしの仕事三昧でした。まあ、6月にいっぱい休んだのでしょうがないですネ。最後の夏休み気分を味わうために夏井川渓谷を訪れました。
籠場の滝の展望台からみた夏井川。どれが籠場の滝かわからなかった・・・
夏井川は訪れるまでは聞いたことの無い河川でしたが、阿武隈高地を水源として太平洋に注ぐ2級河川のようです。河川規模としてはそれほど大きくないので、地元の人じゃなければ知らなくて当然かもしれませんが、福島県内では比較的有名な紅葉スポットのようです。また、私の知人いわく、植物が面白く、大規模なモミ林が残っていて、一部の着生ランの北限地になっているとのこと。どうですか?植物好きならちょっと立ち寄ってみたい気になりますよね。
ただ、実際訪れてみると遊歩道があるわけでもなく、駐車場と展望台が少しある程度で気軽に散策を楽しむといった雰囲気ではありませんでした。
籠場の滝より少し上流の水辺。ここなら水遊びもできますが・・・、静か。
私の場合、長靴を持参することが多いので、歩けそうなところから少し川に下りて水際をぶらついてみました。「夏休み~」という感じの風景ですが、人の気配は殆どありません。釣り人もいませんね・・・。まあ、平日ですしね。あと、ちょっと気になったのが思ったより水がきれいじゃなかったこと。最近雨でも降ったのかな~?
夏の強い日差しもここなら気持ちいいな~。
広い森の様子は私のカメラでは捉えきれませんでした。手前の雰囲気だけですが・・・。
籠場の滝の展望台ではないもう1箇所の展望台からは夏井川の右岸の広大なモミ林を見渡すことができます。私も見るまでは針葉樹林が見渡せるものと思っていましたが、実際には針葉樹と広葉樹の混生した樹林(どちらかというと広葉樹の多い針広混交林)でした。また、モミ林ばかりと思ったら、意外と尾根部分はアカマツやヒメコマツが多い感じでした。残念ながらマツ枯れによって巨木が枯れてしまい、白骨のような幹が点々としていましたが、樹林の広さとしては一見の価値はあるかもしれません。カエデ類やツツジ類が多かったので、紅葉シーズンなら落葉樹と針葉樹の緑色とのコントラストがきれいでしょう。春はアカヤシオが咲くと、いわき市観光ガイドに出ていたので、その時期もよいかもしれません。
私が訪れた8月下旬は、残念ながら花はあまり見どころがありませんでした。
キツリフネ。谷沿いの湿った場所に多い植物です。
ツリフネソウ。これも谷沿いに多いですね。
ヤシャゼンマイ。渓流に特有の植物です。普通のゼンマイよりも葉が流線型で細くなります。渓流沿いの植物は流線型の葉をもつものが多く、急流に洗われてもダメージを極力少なくなるように適応してきたと考えられています。
夏井川渓谷におけるヤシャゼンマイの生育状況。
夏井川の散策場所としては、支流の江田川の背戸峨廊の方が有名なようです。そこまで足を伸ばす時間はなかったな~。