北国で出会った植物-110.イチゲフウロ-
北海道の牧草地脇の路傍などでよく目にするのが、このイチゲフウロです。
北海道稚内市にて(9月3日)。以下、撮影場所・撮影日同じです。
植物をよく知っている本州の方(特に中部地方以東の方)なら、「ゲンノショウコみた~い」と、きっと思うでしょう。私も北海道初仕事の際、イチゲフウロを最初に見たときはゲンノショウコだと思っていました。ところが、短期間に何回も見ていると、「なんか、ひょろひょろとして花も小さく、華奢なゲンノショウコだな・・・」とそのうち思うようになってきました。
ゲンノショウコよりもひょろひょろと伸びる感じがします。花は小さく目立ちません。
フウロソウ属の植物は同定の難しいものが多いです。みんな似てますし、頻繁に出会わないため見慣れないというのが同定の難しい理由でしょうか。
ただ、以下の3点を確認すれば、フウロソウの仲間だなーと推測できます。
①葉の付き方:多くは対生(たいせい:葉が対になって着く)します。
②葉の形:大きく3~5裂に切れ込みます。
③花弁は5枚で、白色~濃いピンク色、中には紫色のものもあります。
イチゲフウロの特徴は次の3点です。
①葉:葉は5裂しますが3裂にも見えます。ゲンノショウコに似ますが、裂片は少し細い感じがします。
②茎の毛:下向きの毛で、少し伏した感じになります。ゲンノショウコは茎の毛が開出します。
③花:直径は1cm程度で、白色~淡いピンク色。遠目に見れば白色に見えます。西日本で見られるゲンノショウコのように濃いピンク色になることはありません。
似た植物としては、ゲンノショウコがあげられますが、茎の毛が異なり、慣れれば全体の雰囲気も違うと感じるようになります。似たような小型の淡い色の花をつける仲間にコフウロ、ミツバフウロなどがありますが、これらは葉の形が違います。