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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北海道で出会った植物-204.オオダイコンソウ-

ダイコンソウよりもひとまわり大型のオオダイコンソウです。

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北海道ニセコ町にて(7月21日)。明るい樹林や林縁でよく目にする。

私の住む岐阜県ではあまり見かけることはありませんが、北海道では比較的普通に見ることができます。わりとしっかりとした植物なのですが、花が小さくそれほど目立たないので、気にして歩かないと見落としてしまいそうです。

オオダイコンソウはバラ科ダイコンソウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道・本州に分布します。冷涼な地域の明るい樹林内や林縁、草地に生育します。

オオダイコンソウの特徴は次の3点です。
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①葉:地際の葉は一回羽状複葉(いっかいうじょうふくよう:葉の軸が伸びて小葉が3枚以上付き、葉の軸は分枝しない)で、ダイコンの葉に似た雰囲気の形をしています。茎の葉は上部ほど小葉の数が少なくなり、13出複葉(いっかい3しゅつふくよう:3枚の小葉からなります)状になります。托葉(たくよう:葉の付け根付近にある葉のようなもの)が特徴的で、縁に鋸歯があり、類似種の中では最も大きいです。
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②茎の毛:茎や花柄には長い開出した毛が多数あります。
③花:花弁は通常5枚で黄色。花の直径は1-1.5cm程度です。


葉の形や花の雰囲気でダイコンソウの仲間と覚えた上で、托葉の形や茎の毛の形状から類似種と見極めるのがよいと思います。類似種のダイコンソウは托葉が小さく、茎に開出毛がありません。カラフトダイコンソウは茎に開出毛がありますが、托葉は小さく全縁です。ミヤマダイコンソウは高山に分布し、山地で目にすることはないと思います。