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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

畑の雑草-97.コゴメガヤツリ-

もう一つ、ポピュラーなカヤツリグサの仲間を紹介します。コゴメガヤツリです。

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三重県多気町にて(8月19日)。以下、撮影場所・撮影日同じです。

育場所はカヤツリグサとほぼ同じで、畑地周辺や河川敷の植物が少ない少し湿った草地に生育します。大きさもほぼ同じで、膝丈以下です。「生えている場所や背格好も同じじゃ見分けがつかないじゃん?」と思うかもしれませんが、花序の枝の付き方や色合いが異なるので、慣れれば簡単に区別できます。

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花序の拡大。カヤツリグサと違いますよね。

“コゴメ”と名前が着く植物はたいてい、小さいという意味があります。コゴメガヤツリはカヤツリグサよりも実が小さく見えることから、この名前がついたのだと思います。コゴメガヤツリはカヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、本州~九州に分布しています。

コゴメガヤツリの共通の特徴は、次の4点です。
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①サイズと生え方:2050cm程度。膝丈より小さいのが殆どです。カヤツリグサ属の中では中型で、控えめな株となります。一年草なので引き抜くのも簡単です。
②生えている場所の水分:やや渇き気味から湿った場所。水が常にあるような場所には生えません。
③花序の枝:花序(花のまとまり)の軸は長いものと短いものが混生します。ただ、長くても10cm以下です。花序の軸は上部でさらに分枝します。
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④小穂・花:小穂(しょうすい:写真参照)は全体黄緑色(カヤツリグサは茶色を帯びます)。小穂は軸に対して斜めにつきます(カヤツリグサは軸に対して開き気味につきます)。花を包む鱗片(りんぺん:写真参照)の先はとがりません(カヤツリグサのように尖らないため、実が小さく見えます)。

類似種は先に紹介したカヤツリグサです。チャガヤツリはカヤツリグサよりも鱗片の先がとがるので、見間違えることはないと思います。