平地の秋の花-87.タウコギ-
水田雑草ですが、最近出会うことが少ない植物の一つ、タウコギです。目立つ花ではありませんが、特徴的な花です。

タウコギはキク科センダングサ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、日本全国に分布します。水田や河辺の湿地等に生育します。似た植物には外来種のアメリカセンダングサがあり、それとの競争に負けてしまったのか、見かけることが少なくなったような気がするのは、私だけでしょうか。「うちの水田にはいっぱい生えてくる!」というところは、人為的な改変が少なく、本来の環境が残されているのかもしれません。
タウコギの特徴は次の2点です。花が咲けばわかりやすい植物です。

②花:花は筒状花(つつじょうか)のみからなり、花びらのような舌状花(ぜつじょうか)はありません。花びらがない代わりではないですが、花の基部に苞葉(ほうよう)と呼ばれる小さな葉が花びらのように多数つきます。
せっかくなので類似した外来種のアメリカセンダングサとも比較してみました。

②花:花はタウコギの方が少し大きめで、苞葉もタウコギの方が長くて目立ちます。ただ、花の大きさは同じ個体の中でもばらつきがあるので注意が必要です。