春といえば黄色の花-242.オヘビイチゴ-
黄色の花を続けます。オヘビイチゴです。
この仲間は花だけ見ると皆同じに見えます。葉の形の方が種を見分けやすい。
「ヘビイチゴ」とつきますが、オヘビイチゴはイチゴ状の赤い実はつけません。イチゴをつけないのに、なぜこのような名前になったのか?推測ですが、植物の頭に「オ」とつくのは、「雄」というイメージを表していることが多く、この接頭語がつくと、対象となっている植物よりも「豪壮な」とか、「より大きな」とかいう意味合いが強くなります。オヘビイチゴはヘビイチゴに花が似ているけど、ヘビイチゴよりも派手にたくさんの花をつけることから、このように名づけられたと思われます。
オヘビイチゴが満開。遠くから見ても黄色の花が目立ちます。
オヘビイチゴはバラ科キジムシロ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、本州~九州に分布します。オヘビイチゴはやや湿った明るい草地に生育することが多く、水田の畦や水辺に近い河川敷でよく見かけます。春先の黄色の花がきれいなので、うちの庭に植えたところ、一時非常に増殖しましたが、庭が藪(薄暗く)になるにつれて衰退してしまいました。明るさが重要な環境要因となっているようです。
オヘビイチゴの特徴は3点です。
③花:地際から20-50cm前後の茎を伸ばし、茎の先に集散花序(しゅうさんかじょ:花序軸が分枝して、主軸よりも側枝が目立つような花序)をつけ、花を2-10個程度つけます。花は黄色で直径1cm程度です。
水田脇などで花だけを見ると、ヘビイチゴのように見えますが、根生葉の小葉が5枚であることを確認すれば間違えることはないです。キジムシロ属で小葉5枚となる在来種は本種のみです。