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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

飯豊連峰縦走(3日目:御西小屋→大日岳(ピストン)→飯豊山→本山小屋)

朝はかなりガスってましたが、風はだいぶ弱まっていました。行程的にも今までになく余裕があり、植物の写真を撮影するとしたら今日しかないかもしれません。

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2日目までまとまった群落を見なかったハイマツ群落(8月27日)

御西小屋から大日岳にかけては南西の稜線を歩くことになります。そのため、西側斜面はこれまで同様ササ草地(チシマザサ群落)と低木林が主体になります。ただ、これまでと違うのは、大日岳周辺でハイマツが優占していたことでしょうか。これまでの西側稜線にもハイマツは生育していたのですが、ナンゴクミネカエデやナナカマドと混生し、優占することは殆どありませんでした。大日岳は飯豊連峰の最高峰(2128m)であることから、これまでの稜線よりも西風が厳しいのかもしれないなと思いました。

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きれいな花の多い雪田植生。中央のピンクの花はヨツバシオガマ(8月27日)。

一方、東側斜面は大日岳への急登直前までは広大な雪田植生がひろがっています。しかも、ヌマガヤが優占する単調なものだけでなく、アオノツガザクラが優占するタイプ、チングルマが優占するタイプ、イワイチョウが優占するタイプなど雪田植生が複雑で、とてもきれいでした。その上、雪田周辺は涼しいし、最高でした。

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高山ハイデを形成する植物は皆背丈が10cm前後。強い風に耐えています(8月27日)。

大日岳ピストン終了後、御西小屋から飯豊山に向かいました。御西小屋から飯豊山への稜線は概ね東西に伸びています。この尾根では、南側に広い雪田が広がります。やはり、多様な雪田植生が広がっています。北側はよく見えないところもありましたが、ハイマツ群落が多く広がっていました。特筆すべきなのは、稜線上に広い高山ハイデと呼ばれる植生が広く発達していたことでした。高山ハイデという植生は、高山で風が特に強くあたる場所に成立する小型の低木や草本からなる群落のことです。この稜線も2000m前後なので、今までのところより風が強いのかもしれません。この稜線ではガンコウラン、オヤマノエンドウ、ミヤマウスユキソウ、コメバツガザクラ等が見られました。

余裕があると思っていた行程ですが、なかなかそうもいきませんでした・・・。撮影できたいくつかの植物を紹介します。

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ホソバコゴメグサ。高山ハイデや風衝(ふうしょう:風が強くあたる場所)草原に生育します。

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タカネヨモギ。風衝草原や高茎草原に生育します。

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ナンブタカネアザミ。高茎草原に生育します。棘がすごいです。始めて見ました。

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オヤマリンドウ。高茎草原や低木林の林縁に生育します。

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ミヤマリンドウ。雪田草原に生育します。これに似たイイデリンドウと思われる種は、花が終わっていました。

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ウラシマツツジ。高山ハイデに生育します。紅葉が始まってきています。


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この日は午後からは天候が回復し、本山小屋から雲海の中の飯豊連峰に沈む夕日を見ることが出来ました。超キレイ!!ラッキー。3日間の中で最高の1日となりました。