身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

雄山(立山)登山

今年2つめとなる、日本百名山登山です。今回はバスで富山県の室堂に入り、そこからの登山なので、それほどきつくない工程です。室堂の標高が既に2400m以上なので、山頂までは実質600m程度の登りで着きます。

イメージ 1
室堂から見た立山。登った日は天候が悪く、翌日に撮影。

イメージ 2
室堂のお花畑。花をめでるには8月下旬は遅かったです。残念。

まずは標高2400mの室堂のお花畑。この標高までバスに連れてきてもらえるので本当に楽チンです。ここまででしたら、夏場ならスニーカー等の軽装でも来られるので、老若男女誰でも、この雄大な景観ときれいなお花畑が堪能できます。室堂付近は「雪の大谷」の景観で有名な場所で、冬場は最大で20mの積雪があるそうです。夏の景観からはちょっと信じられないですよねー。ところが、お花畑を見ると「なるほど納得」という感じです。

イメージ 3
最近雪が溶けたところでは、お花畑が見ることができました。

イメージ 4
チングルマ。大半は実になっていましたが、なんとか開花個体に出会うことができました。

イメージ 5
ミヤマキンバイ。一見するとヘビイチゴに似ているが、れっきとした高山植物

室堂付近の斜面では、急傾斜地の岩場や雪渓を除いたほぼ全ての場所で、イワイチョウチングルマミヤマキンバイアオノツガザクラ等の雪田植生(せつでんしょくせい:雪が遅くまで残る凹地周辺の植生)に特徴的な種が生育しています。こんなに広範囲に雪田植生が分布しているのは驚きで、雪の多さを反映しているのだと思います。

イメージ 6
高山の草地の景観。レキがごろごろしていて、湿った感じではない。

お花畑の遊歩道を歩いていくと、だんだんと傾斜がきつくなってきます。遊歩道が無くなり、岩や礫が多くなり、登山らしくなってくると、少し生えてくる植物が違ってきます。まず水がたまるような雰囲気はなくなり、草原やハイマツの低木林が目立つようになってきます。草原ではウラジロタデやスゲの仲間やイネの仲間が多くなってきます。

イメージ 7
一ノ越から雄山山頂方面を望む。尾根を登っていくと山頂に着く。

さらに登ると傾斜が急になり、動きやすい礫が多くなってきます。すぐに落石がおこるような斜面なので、登山の際は石を落とさないようにだいぶ神経を使いました(とにかく登山者が多い)。こんなに石が動きやすい斜面なので、人が歩かなくても風雪や雨で石が動くのでしょう。このような斜面ではさすがの高山植物も生育できないようです。そのため、裸地、草原、ハイマツ群落のモザイク状の植生が成立します。

イメージ 8
イワツメクサ。小型の植物なので足元に注意していないと見落としてしまう。

イメージ 9
トウヤクリンドウ。リンドウの仲間は紫色の花が多いが、この植物は白色系の花をつける。

裸地のように見える部分でも岩の隙間には、イワツメクサやトウヤクリンドウ、コメバツガザクラ等が生育しており、逞しさを感じました。

イメージ 10
三角点脇のプレート。

イメージ 11
雄山山頂。山頂には小屋(神社施設)があり比較的広い。一番高いところに社がある。

登ること3時間程度でしょうか、雄山の山頂に到着しました。三角点は3000m未満で、3000mを超えるのは、山頂の雄山神社のところのようです。

イメージ 12
早速登ろうとしたところ、そこは神聖な雄山神社の敷地のようで、入るのに\500が必要とのこと。ここまで来て、3000mの地に立てないなんて考えられないので、\500を支払い、初の3000m越えの登山が成功しました!

イメージ 13
ご祈祷のあとにお神酒もいただきました。

「頂上に立つのに\500なんてありえない」と思う方もいらっしゃいますよね。ご安心を!その後、雄山神社神主さんによるお払いを受けることができます。ご祈祷を含めれば、かなり安い料金かもしれません。今回は登頂後天気が悪化し、残念ながら山頂ではなく下の建物の中でのお払いとなりました。

山頂でお払いしてもらえるなんて、修験者になった気分です。立山雄大な自然と、信仰の歴史が感じられる素晴らしい登山でした。


イメージ 14
おまけ。山頂で出会った雷鳥の親子。お母さんは砂浴び中。